もともと北欧で、冬季の移動手段として使っていたスキーが競技化した。アルペン種目より歴史は古く、スキー競技の原点とも言える。 日本に伝えられたのも1911年と比較的早かった。五輪でも、第1回から実施されている歴史ある種目だ。
滑り方は2種類。スキー板を平行に保って歩くように滑る「クラシカル」がもともとの形だが、72年、 スケートのようにスキーのエッジ部分でサイドキックしながら滑る選手が出現。「クラシカルに比べ(15キロで)3分は速い」と言われ、 クラシカルスタイルとの差が大きいため、「フリー」「クラシカル」と分けられて今に至っている。
クロスカントリーに特有の「パシュート」はもともと「追跡」の意味だが、最初の競技のタイム差に従って、 次の競技をスタートさせる方式。男子なら10キロクラシカルを先に行い、後半の15キロフリーは10キロクラシカルのトップ選手からタイム差をつけてスタートする。
競技で重要なのがワックスの選択。クラシカルの場合、板の中央部に滑り止めのグリップワックス、前後には滑走用のワックスを塗るが、 フリーでは滑走用ワックスのみ。これも雪質などによってレースの度に適したものに変える必要があるため、事前の調査も勝敗を分ける重要なポイントになる。