こぶ斜面を軽快に滑り、あるいはジャンプ台から空中に飛び出して宙返りなどの技を競う。華麗で若者受けのするこの競技の歴史は新しく、 国際スキー連盟公認の公式競技となったのは80年。もとは、アメリカのプロスキーヤーが、観客向けのアトラクションで見せていたものだ。
五輪では、92年アルベールビルでこぶ斜面を滑る「モーグル」が、94年リレハンメルで「エアリアル」が正式種目として採用された。 長野でもこの2種目が行われる。
モーグルは、平均斜度25度前後の、こぶ斜面に設けられたバーン(コース)で、ターン(滑りのテクニック)とエア(ジャンプ)の難度や空中姿勢、 ゴールまでのタイムを合算して競う。小さなジャンプ台がコース上に2か所設けられ、エアは競技中に2回の違うジャンプ技を取り入れなければならない。 得点配分はターン50%、エア、タイムが各25%。
エアリアルは、長さ50―60メートルの助走路を滑り、「キッカー」と呼ばれる高さ約3メートルのジャンプ台から空中に飛び出し、 宙返りやひねり技を競う。最高到達点の高さは、ビルの3、4階ほどにもなり、ダイナミックさが売り物だ。
ジャンプの高さ、飛距離を見るエア(得点の20%)、技の正確さやバランスを見るフォーム(同50%)、 着地の正確さを見るランディング(同30%)の合計得点に、技の難易度を掛け合わせたものが飛型点となる。 選手は事前に2種類の技を申告し、2回のジャンプの得点合計で順位を争う。