発祥地とされるイギリスでは、16世紀のカーリング用のストーン(石)が保存されており、ウィンタースポーツとしては500年の歴史を誇る。 五輪では、これまで「公開競技」として行われており、正式競技への採用は長野が初めてとなる。
チーム4人が1人2投ずつ、氷上に交互にストーンを滑らせ、28.35メートル先の直径3.66メートルのハウス(円)の中心近くに寄せた個数で勝敗を競う。 16個投げるエンド(1回戦)を10回行い、得点の高いチームが勝ちになる。
点数が決まるのは、どのエンドも最終投後なので、後攻が圧倒的に有利。各エンドごとに、どのような展開で最終投まで持っていくか作戦が重要で、 司令塔役のスキップ(主将)の役割が重大。作戦的にも、円の中にストーンを止める「ドロー」以外に、手前に止めて相手を邪魔する「ガード」、 相手をはじき出す「テイク・アウト」、相手ストーンの前にぴたりと寄せる「フリーズ」、“変化球”を使って別のストーンの裏へ回り込ませる「カム・アラウンド」など、 さまざまな技がある。展開の読み、複雑な作戦など、「氷上のチェス」「氷上のビリヤード」と言われるゆえんである。
ちなみにカーリングと言えば、氷上をブラシで掃くユーモラスな光景が有名だが、これはストーンの曲がり具合やスピードを微妙に調整するもの。 さらに、試合が進むと氷の状況が変わってくるため、状況を読み、的確に対処する能力が必要になってくる。
日本ではまだ「マイナー競技」の域を出ないが、欧米では人気のウィンタースポーツ。特にカナダでは、国内選手権でも会場に2万人近い人が訪れ、 テレビの視聴率も20%を超えるなど、絶大な人気を誇っている。