ジャネット・リン(アメリカ)

札幌:フィギュアスケート女子シングル・銅
 メダルの重さよりも心に残る笑顔がある。ジャネット・リンを日本でも一躍人気者にしたの飛び切りの笑顔は、“しりもち”の後に飛び出した。

 7歳で親元を離れて競技生活に。シカゴ郊外のリゾート施設・「ワゴンホイール」のリンクで、コーチとマンツーマンの練習が続いた。五輪デビューは弱冠14歳。 グルノーブルで9位に入り、一躍世界のトップレベルに躍り出た。その後も全米選手権を制するなど順調にレベルアップし、札幌に臨んだ。

 初日、苦手の規定で3位に入り、これで欲が出たのか、翌日の規定では失敗、4位に落ちた。選手村の部屋で一人祈りを捧げた。 翌日のフリー演技でも、何でもないターンでしりもちをついたが、立ち上がった時、顔に浮かんでいたのは最高の笑顔だった。 銅メダル。

 日本中に爽やかな旋風を巻き起こした18歳の少女は、宿舎の壁に「ピース アンド ラブ」の落書きを残して去っていった。 あれから26年、今度は長野五輪の「親善大使」として、あの頃と変わらない笑顔を振りまいている。


戻る