アルベルト・トンバ(伊)

カルガリー:男子回転・大回転金
アルベールビル:男子大回転金、回転銀
リレハンメル:男子回転銀
 87年スキーワールドカップ。20歳のトンバは、突然世界のトップに躍り出た。回転で初優勝すると、大回転でもステンマルクを抑えて優勝。 世代交代を感じさせるとともに、長年不振が続いていたイタリアスキー界から飛び出した久しぶりの英雄とあって、母国で絶大な人気を獲得した。

 カルガリーでは回転、大回転を制したが、圧巻は次回のアルベールビル。大回転で優勝し、五輪アルペン競技では初めてとなる、 同一種目2連覇を達成した。

 1メートル82、90キロの体格で豪快に滑る様子から付いたニックネームが「トンバ・ラ・ボンバ」(爆弾男)。ポールをなぎ倒して滑り降りる、 「パワー時代」とも言える回転競技の申し子だ。

 リレハンメルでも回転で銀メダルを奪取、95年シリーズのワールドカップではついに総合初優勝を果たした。通算では48勝と、歴代2位の記録を残し、 30歳を超えてなおトップレベルの力を誇っている。

 自信たっぷり、時には“暴言”に近いユーモラスな発言もまた、人気の原因。イタリアアルペン界に生まれた、今世紀最後のスーパースターである。


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