ボニー・ブレア(米)

カルガリー:スピードスケート女子500金、1000メートル銅
アルベールビル:スピードスケート女子500、1000メートル金
リレハンメル:スピードスケート女子500、1000メートル金
 屋内リンク、高速リンクが主流となった80年代中盤以降、記録ラッシュに沸くスピードスケート界で、 短距離の女王として君臨し、3大会、6年にわたって500メートルのメダルを独占し続けた。

 1メートル62の身長は、年々大型化が進むスピードスケート界では、女子でも小柄な方。 それをカバーしたのがカーブワークの巧みさである。もともと屋内リンクのショートトラック競技出身だが、 ほとんどカーブを滑っているようなショートトラックで鍛えた抜群のコーナーワークが、コーナーでの駆け引き、 スピードを要求される短距離で生きた。

 当時は東独の全盛時代だったが、抜群の安定感でその壁に1人で立ち向かう。 最初の金メダルが0.02秒という小差での獲得だったのに対し、2回目は0.18秒差、3回目は0.36秒差と、 年齢を重ねるとともにパワーの衰えを技術でカバーし、他を寄せ付けない強さを発揮した。

 大きな大会の前でもプレッシャーを感じさせない余裕の発言、笑顔を絶やさない選手として、本国では特に絶大な人気を誇る。

 3大会で獲得した金メダル5つは、米女性選手としては夏冬通じて最高。冬季五輪の歴史だけを見れば、2大会で6つの金メダルを獲得した、 スピードスケートのリディア・スコブリコワ(ソ連)に次ぐ記録を持っている。 また、大会3連覇というのも、戦前に活躍したフィギュアスケート初代“銀盤の女王”ソニア・ヘニー (ノルウェー)以来の快挙である。


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