リディア・スコブリコワ(ソ連)インスブルック:スピードスケート女子500、1000、1500、3000メートル金スコーバレー:スピードスケート女子1500、3000メートル金 |
“スケートの女王”。当時のメディアはスコブリコワをそう呼んだ。スピードスケート、
男子ではハイデン(米)が全競技優勝を達成する16年前、五輪史上初めてスケートの全種目優勝を達成したのは、
ソ連が生んだこの名スケーターだった。 完全制覇の予兆はあった。インスブルックの前年、軽井沢で行われた世界選手権で500、1000、1500、3000と全種目を制覇。これも史上初の快挙だった。 「あるいは....」という予感が世界を走る中迎えたインスブルックでは、まず500メートルの金メダルを五輪新で奪取すると、 1500メートル、1000メートルも五輪新で連覇。最後に迎えた3000メートルでは、五輪新記録こそならなかったものの、気温プラス7度、 コースの所々には水が浮くという悪コンディションをものともせず、2位に4秒近くの大差を付けて圧勝。圧倒的な地力の差を見せ付けて、 初の完全優勝を果たした。 スコブリコワには、もう1つの栄誉が冠せられている。インスブルックの前、スコーバレーでも1500、3000に優勝。 2大会で合わせて6個の金メダルを獲得しているが、1人で6個の金メダルというのは、冬季五輪で最多。この記録は、 今も破られていない。 |