芸術性とスポーツの躍動感の双方を求められるフィギュアスケートは、まさしく冬季五輪の「華」だ。 種目は大別して、シングル、ペア、アイスダンスの3つに分けられる。
シングルとペアは、決められた要素をこなす「ショートプログラム」(SP)と、 自由なプログラムを構成して競う「フリー」の合計成績で競う。
シングルのSPは男女とも競技時間が2分30―40秒と定められ、その中に3種類のジャンプ、3種類のスピン、 3種類のステップという、指定された8つの技を組み込まなければならない。
フリーでは、男子が4分30秒、女子は4分が基準。ジャンプ、ステップ、スピンと、バランスのとれたプログラム構成が求められる。 3回転ジャンプは原則として1種類1回だけなどと決められているが、SPほど細かい指定はない。
難しいのが採点方法。シングル、ペアのSPは要素点(エレメンツ)と表現点(プレゼンテーション)、 フリーは技術点(テクニカル・メリット)と表現点に分けて採点する。いずれも6点満点。
順位の決定はまず、各審判が第1、第2採点を足し、審判ごとに各選手の順位を出す。同点の場合、 SPでは第1点、フリーでは第2採点の高い方が上位となる。過半数の審判が支持している順位がその選手の順位となる。
最終順位は、SPの順位点(順位に0.5をかけたもの)とフリーの順位点(順位に1.0をかけたもの)を合計し、 少ない方が上位になる。同点の場合はフリーの順位が上の者が上位。
一方、“社交ダンス”の氷上版とも言われるアイスダンス。2人が一体となっての確実なステップ、曲想の表現が求められる。
規定、オリジナルダンス(OD)、フリーの3部門で競われ、規定は決められたステップを滑る。 ODはリズムとテンポが前もって国際連盟によって決められており、長野五輪のある来季はテンポの速いジャイブとなっている。
最終順位の決定は、規定の順位点(順位に0.4をかけたもの)、ODの順位点(順位に0.6をかけたもの)、 フリーの順位点(順位に1.0をかけたもの)の合計が少ない者が上位となる。