インゲマル・ステンマルク(スウェーデン)

インスブルック:男子大回転銅
レークプラシッド:男子回転、大回転金
 アルペンのヒーローは、50年代がトニー・ザイラーなら、70年代から80年代にかけてはステンマルク。 70年代後半から息長く活躍した、回転のスペシャリストである。

 しかし、同時代最強を誇りながら、最初の五輪・インスブルックでは大回転で銅メダル、回転は途中棄権という屈辱の結果に終わっていた。 W杯の連勝記録を伸ばすなど、選手として絶頂期を迎えつつあったステンマルクに足りなかった唯一の栄誉は、当然「五輪の金」。 その夢は、レークプラシッドで2倍になって実現した。

 最初の大回転では1本目3位につけ、2本目で逆転。回転でも、大回転のプレイバックを見せるように、2本目で鮮やかな逆転劇を演じ、 あっさりと2つの金メダルを手にした。

 五輪で「金」を手にするまでには2つの大会が必要だったが、W杯では無敵を誇った。17歳でデビュー、1978年までは総合3連覇を果たし、 通算では前人未到の86勝を誇る。32歳まで戦い、一時代を築いた王者は89年、大回転で初勝利を挙げた思い出の苗場でのレースを最後に、 現役を退いた。


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