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バイヤーズガイド:ディジタル・カメラ
CCDに補色フィルターが復活

[Friday, July 10, 1998 佐藤 千秋=日経MAC]

35万画素パーソナル・ディジタル・カメラを世代分けする視点の1つに,CCDのフィルターで区切る方法がある。出始めのころはビデオ・カメラ用のCCDを流用したが,その後ディジタル・カメラ向けに開発したものに取って代わっていった。前者にはシアン,マゼンタ,イエローの補色フィルターが使われ,後者は赤,緑,青の原色フィルターが使われていることが多い。

ディジタル・カメラの出荷台数が増え,ディジタル・カメラ用のCCDがビデオ用と別に生産されるようになり,この原色フィルターのCCDに置き換わった時,各メーカーは異口同音に,色の再現性が向上したと,アピールした。

しかし,メガピクセル時代に入り,いつの間にか,補色フィルターのCCDが復活した。補色フィルターの方が,感度をかせげるなどの理由を挙げている。

いずれにしろ,どんなディジタル・カメラも,CCDから出力されるアナログ信号を,ダイレクトにディジタル・データに変換しているわけではない。したがって,CCDのフィルターより,どんな補正をかけているかということが,画質に大きく影響を与えているというのが,実際のところだ。しかし,この処理はスペック表に表れない。

ディジタル・カメラのスペックを気にする場合は,CCDの画素数が出力ドット数を上回っているか,あるいはCCDそのもののサイズは大きいかを気にすべきだろう。

35万画素機の出力画素数は,最大640×480ドットだ。この画像は全部で30万7200ドットの画素を持つ。画素1つは赤,緑,青の3色についての明暗情報を持っている。しかし,CCDの各ドットには赤,緑,青いずれか1色のフィルターしか貼っていないため,1色分の情報しか取得できない。すると,640×480ドット分の情報を得ようとすれば,単純計算でも,30万7200ドット×3色分=92万1600ドット必要になるはずだ。35万画素CCDでは,640×480ドット分の情報を取れないことになる。この不足分は,隣り合った画素の情報を加味して補間している。

だが,100万画素以上のCCDなら,ドット数は足りている(実際には,赤。緑,青のフィルターを貼ったドットの比率は1:2:1なので,話はもっと複雑になる)。特集3で,640×480ドットの画像を取得する場合,メガピクセル機のほうが,35万画素機よりきれいなると紹介したが,その理由がこれである。

CCDが大きいほど有利な理由には,レンズの分解能の低さをカバーできることなどが,挙げられる。


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この記事は、日経MAC98年8月号(98年7月18日発行)掲載記事の抄録です。

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This page was last updated on Tue, Jul 21, 1998 at 4:28:09 PM.
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