Nikkei MAC CD 98.12 

ColorSync 2.5について


98年3月にリリースされた「ColorSync 2.5」(英語版)を収録しました。

インタフェースを一新,ディスプレイ・キャリブレーション機能を装備,と一貫性や精度,自由度といった面で,これまでとは別物と言っていいほど強力に進化しています。また,「Adobe Photoshop」用に新しいプラグインも付属しています。

 ColorSync 2.5のご利用にあたって

データ収録場所】ルート→アップルソフト→ColorSync

アップルコンピュータは「英語版のため,日本語OSでのサポートは行わない。また,現在日本語版リリース時期は未定」としています。日経MAC編集部でのテストの結果,日本語Mac OSへのインストールおよび利用は可能ですが,お使いになる際は,重要なファイル,既存のColorSyncソフトウエアやプロファイルのバックアップを取るなど,十分に注意してください。

インストールの前に,「ColorSync SW Disk 1」に含まれる「ColorSync 2.5 ReadMe」に目を通し,各ファイルがどこにインストールされるのかを把握しておくことをお奨めします。

ColorSync 2.5は,Mac OS 7.6.1以降のシステムにインストール可能です。既存の日本語版ColorSyncがすでにインストールされているシステム(標準状態ではインストールされています)に2.5をインストールすると,上書きされず,システムフォルダ内にバージョン違いのColorSyncソフトウエアが重複してしまいます。インストール後,「機能拡張マネージャ」で旧版を外してください。

そのほか,ColorSync 2.5についての詳細は,AppleのColorSyncホームページ(http://www.apple.com/colorsync/)をご参照ください。

 ColorSync 2.5の主な特徴

ユーザーが容易にディスプレイをキャリブレーション可能

これまではApple純正ディスプレイの標準的なディスプレイ・プロファイル(ColorSync用の色特性ファイル注A))が含まれているのみで,純正以外のディスプレイでは特別なツールを使わなければプロファイルは作成できませんでした。ColorSync 2.5では,「Monitors & Sound」コントロールパネル(日本語システムでは「モニタ &サウンド」)から,ステップ・バイ・ステップでディスプレイをキャリブレーションし,簡単にカスタム・プロファイルが作成できるように改善されました(図)。

また,ディスプレイ・キャリブレーション機能はプラグイン・アーキテクチャーになっているので,サードパーティーが拡張することも可能です。

注A)RGB,CMYKなどのカラー・モードや,デバイスごとに異なる色といった,各々の特性を記したカラー・マネージメントのためのデータ。ColorSyncは,Appleなど関係メーカーによる標準化団体ICC(International Color Consortium)の形式のプロファイルを使用する。

ダイナミックなディスプレイ・キャリブレーションに対応

これまでと最も違う点であり,また最も必要だった機能と言えるでしょう。前述の「Monitors & Sound」コントロールパネルで設定したColorSyncのディスプレイ・キャリブレーションの内容が,表示状態にダイナミックに反映されます。複数のプロファイルを随時切り替えて使うことも可能になりました。

AppleScript,MP(マルチプロセッサー)に対応

AppleScriptにより,キャリブレーションや画像の色変換といった作業を自動化できます。またMPに対応したことによって,CPUの数に応じてColorSyncを利用したカラー変換処理などが高速化されます。

16ビット/チャンネルのイメージに対応

RGBカラー・データの処理上のキャパシティーを,各色8ビットから16ビットに拡張しました。16ビット・イメージとは,理論的には218兆色以上もの色が扱えるということです。これまではPhotoshopなどが独自に対応していましたが,ColorSync 2.5によりOSレベルでサポートされることになります。

Kodak CMM,Photoshopプラグイン,サンプル・スクリプトなどが付属
これまでの,ドイツHeidelberg Prepress社製のCMM注B)に加え,米Eastman Kodak社製のCMMが付属します。ユーザーはどちらかを選択できます。また,新しい「ColorSyncPhotoshop Plug-ins 2.0」を使えば,Photoshop上で画像変換などにColorSync 2.5を使えます(図)。

このほか,ドラッグ・アンド・ドロップで自動的にプルーフィングを行うといった,AppleScriptのサンプルが付属します。

注B)CMMはColor Matching Methodの略。プロファイルを元に,CIE(国際照明委員会)表色系座標を用いて,色の再現範囲の異なるデバイス間で相互の合わせ込み(ガモット・マッピング)を行うエンジン。

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