Back to Home
T o p
記者の目
記者の目

ホット・ニュース
ホット・ニュース

バイヤーズ・ガイド
バイヤーズ・ガイド

インターネット広場
インターネット広場

日経MACレポート
日経MACレポート

記者の目
記者の目

日経MACから
日経MACから


Nikkei MAC CD目次
Nikkei MAC CD目次

NIKKEIMAC.COM
NIKKEIMAC.COM

日経BP社 BizTech
日経BP社 BizTech

Adobe PostScript 3:
PS新版はWeb対応など新機能盛りだくさん
国産製品は98年からいよいよ本格採用へ

[Friday, February 6, 1998 星野 純=日経MAC]

DTP分野で業界標準となっている米Adobe Systems社(http://www.adobe.com/)のページ記述言語「PostScript」(以下PS)。その新バージョン「Adobe PostScript 3」(以下PS3)が,98年は国内でも花を開きそうだ。

日本語PS3プリンターが2月に登場

PS3の発表は96年10月。97年4月に仕様が具体化されてから,まず米国で対応製品が出荷され始めた。97年8月に発表された米Apple Computer社の「LaserWriter 8500」はPS3対応であり,英語版のMac OS 8.1にはPS3対応ドライバー「LaserWriter 8.5」が含まれている(日本語版にはない)。

国内では,97年末に日本アグフア・ゲバルトや日本エーエムがRIP製品注1)を発表したのに続き,98年2月には初の日本語対応PS3プリンター「Phaser 360PJ」(ソニー・テクトロニクス)が発売される(関連記事:「初のPS3対応プリンター」)。

ページ記述言語からの脱皮で名称も変更

PSは85年の登場以来,「PostScript Level 1」「同Level 2」と2度のバージョンアップを経ているが,PS3はこれまでとは異色である。プリンターにインターネット・サーバー機能を内蔵するような大胆な拡張がなされているのだ。Adobe社の言葉を借りれば「単なるページ記述言語から,トータルなシステムへの進化」。本来のイメージング機能の改良に加え,新たにインターネット対応などのオプションを盛り込んだ“大枠の仕様”となっている。この大改革に伴って,「Level X」というバージョン呼称は廃止された。

“PS3対応”をうたう最低限の条件

これまでのLevel Xというバージョン・アップは,ページ記述言語としての改良/拡張が主であった。アプリケーションやプリンター・ドライバーが書類データをPS言語のプログラムとして記述し,出力機側のPSインタプリターがプログラムを解釈してビット・イメージを展開,出力。これがPSのワークフローであり,Level 2までの進化は,2バイト文字への対応,メモリー管理,パフォーマンスの向上など,重点がPS言語自体に置かれていた。

Adobe社はPS3の新機能を,5つのカテゴリーに分けている。このうち「Enhanced Image Technology」と「Advanced Page Processing」がこれまでの延長線で,ページ記述言語のコアを拡張する部分だ。前者は,カラー,グラデーション,画像合成,分版などの品質を向上させ,後者は標準欧文フォントの種類やオペレーター(PSプログラムの命令)などを拡張し,処理速度を上げる。

“PS3対応プリンター”と言う場合は最低限,この言語仕様の拡張部分を満たすことが要求される。

プリンターがWebサーバーとして働く

だがPS3は言語仕様以外の部分も拡張されている。例えば「Networks System」はPSプリンターをTCP/IPに対応させ,プリンター自身をWebサーバー(HTTP注2))として機能させる。Webブラウザーでプリンターのメンテナンスが可能となり,SNMP注3)もサポートされる。

「WebReady Printing」はWebコンテンツのリモート・プリント機能だ。URLを指定すると,プリンターが該当Webサーバーと直接やり取りして,自動的にホーム・ページを印刷してくれる。HTML,GIF,JPEG,PDFなどをPS3で直接処理することが可能だ。

まさにAdobe社が言う通り,単なるページ記述言語を超えている。

言語以外の新機能はオプション

だが注意したいのは,こうした言語仕様以外の部分はオプションという点だ。例えばPhaser 360PJはNetworks Systemには対応するが注4),Web Ready Printing機能は持たない。実は後者は現時点でまだAdobe社が開発中なのだが,オプション機能ゆえ問題はないのである。

オプション機能を実装するかどうかはOEMメーカー次第だ。従って“PS3プリンター”と言っても,機能が製品ごとに違う可能性がある。製品選びではこの点を覚えておきたい。


注1)Raster Image Processor。PS言語のプログラムを解析して,ビット・イメージを生成するソフトウエア。ハイエンドのDTP業務で用いられる。

注2)Hyper Text Transfer Protocol。Webで使われるプロトコル。

注3)Simple Network Management Protocol。ネットワーク管理のためのプロトコル。PS3が対応するメリットは,既存のSNMPソフトが使えること。

注4)元から独自にWebサーバー機能を実装していたが,メンテナンス画面のインタフェースなどをPS3の仕様に合わせた。

■

日経BP社 Copyright 1993-1998 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.
This page was last updated on Wed, Apr 15, 1998 at 8:43:13 PM.
Site Developed by Rei Watanabe