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USB:
127台の周辺装置を簡単に接続できる
iMacが装備しWin98が標準でサポート

[Friday, July 31, 1998]

iMacの登場で,USB(Universal Serial Bus)が身近になってきた。iMacはハード・ディスクやMOなどを接続するSCSIはもとより,キーボード/マウスをつなぐADB(Apple Desktop Bus)や,プリンターなどを接続するRS-422ポートも持たない。これらの代わりに装備されたのが,USBという唯一の周辺機器接続ポートである。

Win98のサポートでUSB装置が急増

USBはキーボードやマウス,プリンター,スピーカーなど,バラエティーに富んだ周辺装置を統一的にパソコンに接続する次世代のインタフェース規格である。米Intel社を中心に,米Compaq Computer社,米Digital Equipment社(1998年6月にCompaq社が買収),米IBM社,米Microsoft社,カナダNorthern Telecom社,NECの7社が仕様を策定した。94年11月に初のドラフト仕様が登場し,96年2月に非営利の標準化団体であるUniversal Serial Bus Implementers Forum(http://www.usb.org/)が正式な仕様書「USB specification Version 1.0」を公開した。

USBが脚光を浴びている理由はiMacではなく,Windows98が標準でサポートしたためだ。Windowsパソコンの場合,今後登場するほとんどのマシンがUSBを標準で備えることになるだろう。Intel社とMicrosoft社,Compaq社が共同で策定しているWindowsパソコンのハードウエア仕様「PC98」(98年度版仕様)や「PC99」(99年度版仕様)でも,USBの搭載を必須仕様としている。

これに併せて,USB用の周辺装置も着実に増えている。今後はキーボード,マウス,ジョイ・スティック,ゲーム・パッド,プリンター,スキャナー,モデム,ISDNターミナル・アダプター,スピーカーなどが続々と登場してくるだろう。98年7月のWINDOWS WORLD Expo/Tokyo98や,MACWORLD Expo/New Yorkでは,USB対応の各種周辺装置が脚光を浴びた。

Windowsマシンに向けたUSB機器でも,デバイス・ドライバーさえ用意すればマックで利用できる。Appleが業界標準のUSBの採用に踏み切った背景にはこうした事情がある。

最大127台の機器をハブで接続

USBの特徴は大きく2つある。1つは,最大で127台の周辺装置を接続できること。キーボードやプリンター,モデムなど,これまで別々のインタフェースに接続していた周辺装置を,1つのポートに接続可能となる。LAN(local area network)で利用するのと同じような集線装置(ハブ)を使い,周辺装置をツリー状に接続する。ハブは最大5台までデイジー・チェーン接続できる。多くの場合,ハブはキーボードやCRTディスプレイなどの周辺装置が内蔵する。

接続も手軽である。USBは1本のデータ・バスを使ってデータを送受信するシリアル型のインタフェースで,ケーブルは細く,コネクターは小さい。直径5mm程度のケーブルに,信号線2本と電源線2本の計4本が納められている。家庭にある電話のプラグに,電話線を差し込む感覚に近い。

電源投入中でも抜き差しできる

もう1つの特徴は,パソコン稼働中に周辺装置を接続し,すぐに利用できることである(ホット・プラグインと呼ぶ)。例えば,Windowsパソコン稼働中に周辺装置を取り付けると,パソコンが周辺装置を自動認識して必要なドライバーを自動的にセットアップする仕組みになっている。Mac OSのシステム(USB Manager)も同様だ(詳細はhttp://developer.apple.com/dev/usb/)。

加えて,USBは接続ケーブルを使って電源も供給できる。q4.4V以下で動作する,w初めて電源供給を受けた時に100ミリアンペアで動作する,e最大消費電流が500ミリアンペア以下,などの条件を満たす周辺装置ならば,パソコンのUSBポートに接続するだけで動作する。例えば,ハンディ・スキャナーなどは,今後電源ケーブルなしのUSB対応製品が多数登場してくるだろう。

高/低2種類の転送速度に対応

USBは2種類の転送速度をサポートしている。最大12Mビット/秒の高速モードと1.5Mビット/秒の低速モードである。プリンターやスキャナー,モデムなどは高速モード,キーボードやマウスなどは低速モードを利用する。

さらに高速モードでは,アイソクロナス(Isochronous)とインターラプト(Interrupt),バルク(Bulk)の3種類の転送モードが用意されている。アイソクロナス転送は映像や音声などリアルタイム性が要求される転送向けで,1ミリ秒ごとに最高1023バイトのデータを転送でき,最高で8Mビット/秒の転送速度が保証される。インタラプト転送は,最高0.5Mビット/秒の転送速度が保証されたモードで,ジョイ・スティックのようにリアルタイム性は要求されるが,低速な周辺装置に適している。バルク転送は,不定期に大量のデータ送信が発生するプリンターやモデムなどが使うモードで,アイソクロナスやインタラプト転送が行われていない時間に実行される。

(藤田 憲治=日経バイト編集)

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