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Mac OS 8に対応したHDT
HFS Plusには未対応

[Monday, March 9, 1998]

「Hard Disk ToolKit」は,マックでは有名なハード・ディスク・フォーマット・ソフト。フォーマットだけではなく,マックの起動を高速化したり,ベンチマーク・テストやセキュリティーの設定が行えるなど多機能さが売りとなっている。バージョン2.5では「Mac OS 8」に対応した。新機能では,デバイスの状態を監視できる「FWB Event Monitor」が注目だ。

米FWB Software社のHard Disk ToolKit(以下HDT)は,高性能のハード・ディスク・フォーマット・ソフトだ。Mac OS添付の「ドライブ設定」では対応していないサード・パーティー製のドライブ・ユニットを含め,SCSIおよびIDEに接続する補助記憶媒体の大概のものを使えるようにできる。パーティション設定なども自由に行える。また,MOなどのリムーバブル・メディアもサポートする。

98年5月末には,HDT 2.5のフォーマットやマウントなど基本的機能だけを収録した「Hard Disk ToolKit Personal Edition 2.5 日本語版」(1万2800円)を発売する。なお,今回HDTは製品版の用意が間に合わず,評価版でレビューした。

ハード・ディスクのチューニング機能も充実

HDTは,フォーマットや初期化以外にも,メンテナンスに役立つベンチマーク・テストや障害テスト機能,そのドライブ・ユニットが搭載している各種機能を調べる機能などを装備し,障害対策や詳細なパフォーマンス・チューニングも行うことができる。

従来,チューニングを本格的に施すには詳しい知識を必要としたが,HDT 2.5では,数多くのドライブ・ユニットの情報と,「汎用およびプリプレス」や「デジタルビデオ」といった使用目的別に各種パラメーターがあらかじめ設定された“テンプレート”を利用できる。そのため,該当するドライブ・ユニットであれば,初心者でも比較的容易に,最適なフォーマットを施すことが可能だ。

Mac OSの起動を高速化したり
ドライブ障害をテストするなどユニークな機能も用意

HDTは,いくつかのツールの組み合わせで構成されている。

●表 インストールされる主要アプリケーション一覧

Hard Disk ToolKit HDT本体。フォーマットや初期化,ベンチマーク・テスト,セキュリティーの設定などを行う
FWB MounterSCSI,IDEに接続された機器の情報を見たり,ボリュームのマウント/アンマウントを実行する
FWB SCSI ConfigureSCSIデバイスのロー・レベルのパラメーターを編集する
FWB Tool Managerマックの起動を高速化する「TurboBoot」,起動時のディスク診断を行う「自己診断」,起動後にリムーバブル・ディスクを挿入してもマウントをできるようにする「リムーバブル」のツールを管理する
FWB Event Monitor不正なパスワードの使用,致命的なエラーなどハード・ディスクの状態をログで監視できる機能

フォーマットや初期化,パーティション設定などの基本機能や,ベンチマーク・テストやセキュリティー設定などは,HDT本体と言える「Hard Disk ToolKit」アプリケーションに搭載されている。また,高度なチューニングを実現するためのツール,HDTが使用する機能拡張の設定ツール,ディスク関連の各種イベントの監視,記録を行うツールなどによって構成されている。

ほかにも,トラブルでMac OSが起動できなくなった時に,インストールCD-ROMから起動し,HDTの実行を可能にする機能が加わっている注1)。また,HDTはいくつかの機能拡張を提供している。リムーバブル・メディアの自動マウントを実現するための「リムーバブル」機能は基本だが,Mac OSの起動を高速化する「TurboBoot」機能や,Mac OS起動時にドライブの障害テストを行う「自己診断」機能はユニークだ。

バージョンアップの目玉はMac OS 8への対応

バージョンアップの目玉は,やはりMac OS 8への対応。また,前述のテンプレートを用いたフォーマット機能も,対応したディスク・ユニットを使用している場合には非常に有用だ。 フォーマットに関しては,DOSフォーマットなどが直接行える機能が追加されている。また,個々のパスワードとは別にマスター・パスワードが設定できるようになり,運用面での融通が利くようになった。その一方で,新しいレベルのディスクの暗号化が提供され,セキュリティーも向上している。

常に最高を求める向きには,チューニング・ツールの「FWB SCSI Configure」がSCSI-3に対応した点も見逃せない。IDE用のドライバーもPowerPCネイティブになった。

ディスクの信頼性が厳密に求められる立場のユーザーには,新機能の「FWB Event Monitor」は有用だ。接続しているデバイスへの処理や,発生した問題などをログで管理できる。不正パスワードの入力などもログで記録されるので,運用面での信頼性向上も期待できる。ほかに,従来からの機能もMac OS 8対応を含めて多少改良が施されている。

残念なのはMac OS拡張フォーマットに未対応な点

きわめて残念なのは,この時期に登場するのにMac OS 8.1の目玉であるMac OS拡張フォーマット(HFS Plus)に未対応ということだ。日本語版は98年5月に対応するとのことだが,なるべく早期に対処してほしい。

また,おまけ機能ではあるが,起動時間を短縮する「TurboBoot」が,Mac OS 8で使えない。HDT 2.5の国内販売元であるシステムソフトのホームページや広告などの製品案内では「Mac OS 8完全対応」がうたわれているのに,TurboBoot機能が使えないことは添付ドキュメントを見ない限り知ることはできない。このことはホームページや広告の製品案内には一言触れておくべきだろう。

(落合 徹)

●製品情報

Hard Disk ToolKit 2.5 日本語版

開発:米FWB Software社
問い合わせ:システムソフト インフォメーションセンター
      092-752-5264,http://www.systemsoft.co.jp/
価格:2万9800円注2)
出荷:1998年3月下旬

注1)インストールCDからのHDT利用は,本バージョンからの新機能だが,今回の試用では,評価版ということでCD-ROMの形で手元に来なかったために未検証。

注2)バージョン2.0からのアップデートは3000円,バージョン2.0以前および英語版からのアップデートは8000円になる。また,バージョン2.5以前の「Hard Disk ToolKit Personal Edition」からのアップデートは1万2000円になる。

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This page was last updated on Wed, Apr 15, 1998 at 8:44:31 PM.
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