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Macromedia U-CON 97でJobs氏が再び講演 聴衆はSeybold以上に好意的 [Monday, October 13, 1997 シリコンバレー・オフィス発、山田 剛良=日経MAC] 97年10月8日から米国San Francisco市で開催されている米Macromedia社の「International UserCoference(U-CON 97)」。10月9日(2日目)の朝,米Apple Computer社の暫定CEO(最高経営責任者)であるSteve Jobs氏が基調講演に立った。前週の「Seybold San Francisco 97」に続いて2週連続の登場になる。AppleがPEN(出版,エンタテインメント,ニューメディア)と呼ぶ,クリエーター・マーケットへの傾注を印象付けた。 最後はスタンディング・オベーション,ユーザーの支持を取り付けたJobs氏 基調講演の前にMacromediaの社長兼CEOのRobBurgess氏が自ら壇上に立った。「正直言って3カ月前は,Appleはもうダメだと思っていた。だが,Steveが参加してAppleの何かが変わった。それが何かはうまく言えないが,確かに彼らは変化した。彼らはフォーカスできるようになったし,正しい方向に進んでいると思う。私は今,Appleの将来に希望を持てる。それを成し遂げたヒーローが彼だ」と称賛してから,Steve Jobs氏を紹介した。 Jobs氏は「Appleはみなさん(のようなクリエーター)に支えられています。全員が株主のようなものです。そこで,今日は我々が今,何を行っているかを説明に来ました」とあいさつ,話し始めた。Appleの新しい役員の紹介から始まり,新しい広告キャンペーン「ThinkDifferent」で終わる内容は,前週のSeybold SanFrancisco 97とほとんど同じ。マルチメディア・クリエーターが中心のU-CON向けにQuickTime 3.0のデモを追加した以外は,(時間が短い分)前週の講演内容のダイジェスト版という感じだった。 それでも,Jobs氏は講演の随所で大きな喝さいを受け,最後はスタンディング・オベーションで送られた。聴衆の熱狂振りはSeybold以上だったかもしれない。 QuickTime 3.0をデモ,互換機政策にも言及 Jobs氏は「QuickTimeの開発は100人のエンジニアがかかわっている。AppleはQuickTimeは今後もマルチメディアの標準であり続けるよう最大限の努力を払う」と延べ,98年1月に登場するQuickTime 3.0で,AVIやDVフォーマットなどをサポートし,ディジタル・ムービーの80%以上がQuickTimeだけで再生可能になる,と述べた。それからQuickTime ArchitectのPeter Hoodie氏を壇上に上げた。 Hoodie氏はQuickTime 3.0のリアルタイム編集機能をデモした。ムービーに「エンボス」をかけるエフェクトや,2つのムービーをオーバーラップさせてつなぐ特殊効果を,リアルタイムで行ってみせた。またこれらの新機能がMacromediaが98年出荷するビデオ編集ソフト「Final Cut」や「Director 6.0」で,フルに活用できると説明した。さらに,97年内に製品として出荷予定の「QuickTime VR Authring Studio」を使って,みるみるうちにQuickTime VRムービーを作ってみせた。 このほかJobs氏は,Microsoft社が「Internet Explorer 4.0」でColorSyncをサポートすることや来年AppleScriptのネィテイブ版が登場すること,98年夏にマックにDVDを搭載することを述べた。またUSB(Universal Serial Bus)やFireWireのサポートを明言した。互換機については,ライセンスを停止したのは適正な価格でなかったからという従来の主張を繰り返した上で「(UMAXとの交渉では)4,5回目の交渉で適正な価格を決めることができた。我々はMac OSのライセンスを延ばすことができる」とや発言した。 WebObjectsの価格を下げると明言,ユーザーにマックを購入してほしいと訴え 講演の最後に聴衆からの直接の質問を受け付け,Jobs氏が答えた。ジョークを交え,和やかな雰囲気で行われたが,いくつか重要なコメントもあった。 Appleを経営してるのはだれなのか?,という質問には「現在は私が,なるべく上手に経営できるように努力している」と答え,暫定の肩書きが取れる先のことは「今度ハワイで休暇を取る予定なので,その時浜辺で風にでも吹かれながらゆっくり考える」とジョークでかわした。 Appleを助けるために何をすればいいか?,という質問に対しては「2つあります。まず今,どんな問題を抱えているか,Appleの製品にどんな不満があるか,私にメールで知らせて下さい。1つひとつきちんと目を通します。もう1つ,あなたのマックをぜひアップグレードして下さい。我々に今大事なのはAppleを財政的に健全な会社にすること。みなさんにAppleの製品を買っていただかないとならない」と訴えた。ちなみにJobs氏のアドレスは「sjobs@apple.com」だ。 今後のWindowsはマックに似てくるのか?という質問もあった。Jobs氏は「彼らが我々のアイデアを盗んだのは,もうずいぶん前の話ですが....」と笑わせてから「(Think Differentの広告に登場する)Pablo Picassoも言ってるように,優れた芸術家はマネをし盗むものです(笑)。だれが発明したかは重要な問題ではない。コンピューター革命はまだ始まったばかり。我々は(Microsoftの)さらに先を行けばいい」と答えた。さらに「Appleには優秀なエンジニアがまだまだたくさんいる。素晴らしい機能をこれからも提供していける」とアピールした。 WebObjectsは高すぎるとの指摘には,「優れた技術なのに高価過ぎるために普及しないのは,まずいと思う。WebObjectsについても,今後は適正な価格で提供する考え」と答えた。最後にOpenDocはどうなったの? と聞かれ「もうすっかり息絶えたものと思ってましたが...」ととぼけ,「少し身もだえしてるのかな? 今度調べておきますからぜひメールを下さい」と締めくくった。 |
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