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アキア（http://www.akia.co.jp/index1.html）は，Mac OS搭載互換機の開発／販売を全面的に中止する。同社へMac OSライセンスを提供していた米IBM社（PowerPCにMac OSを添付して販売する形でOSライセンス供与権を持っていた）が，互換機メーカーへのMac OSライセンス供与を全面停止したことによる措置。97年11月19日，COMDEX開催中の米LasVegasにてアキアの飯塚克美社長が日経BP社電子・情報ニュース取材センター記者に明らかにしたもの。

米IBM社からのライセンスが受けられなくなったため，飯塚社長によれば，「11月18日まで（直接）Apple Computer側とMac OSライセンス供与の継続を交渉していた」。しかし交渉はまとまらず，同社のMac OS互換機の販売中止を決めるに至った。近日中にも現行機種の販売停止を発表する。

日本国内ではラディウス（http://www.radius.co.jp/）のように，唯一Mac OS 8のライセンスを受けている台湾のUMAX Data Systemsから製品のOEM供給を受けることで，互換機事業を継続する会社もある。しかしそのルートで製品を調達することも，「考えていない」（飯塚社長）という。

今後はIBM PC AT互換機のみの製品ラインナップにするほか，液晶を採用した省スペース・ディスプレイの開発／販売を強化する。

アキアは97年2月にMacintosh互換機市場に参入。液晶ディスプレイ付き省スペース型を中心とした製品展開で，互換機市場で一定の地位を築いていた。しかしApple Computerのライセンス戦略転換に対し，Mac OS 8のアップグレードプログラムを実質的に無償で提供するサービスを実施，急場をしのごうとしたが，Mac OS 8プリインストールへの糸口が見出せないことから，互換機事業からの撤退を余儀なくされた。

（田中　一実＝米ラスベガス，松尾　康徳）
（電子・情報ニュース取材センター）