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リムーバブル戦争再び
復活したSyQuestと新興のCastlewood

[Wednesday, November 19, 1997 シリコンバレー・オフィス発、山田 剛良=日経MAC]

リムーバブル・ディスクの分野が再び活気を取り戻している。今回のCOMDEXで2つの新製品を披露した米SyQuest Technology社(http://www.syquest.com/)と同社の創業者Syed Iftikar氏が興した米Castlewood Systems社が台風の目だ。

米Castlewood Systems社が展示した「ORB」は容量2.16GBのリムーバブル・ハード・ディスク。データ転送速度は12.2MB/秒である。「98年の第1四半期に製品を出荷する」(Director of MarketingのDavid Swanson氏)。ドライブの予定価格は199ドル,カートリッジが1枚29.95ドルである。 (7k)

驚異の低価格の秘密は「MRヘッドを採用して記録密度を上げたこと。結果,1カートリッジあたりのメディア数が1枚で済み,ドライブのヘッド数も2個で抑えられる」(Swanson氏)からだという。とりあえず,外付けパラレル・ポート版と内蔵IDE版を用意する。Ultra SCSI版は遅れて登場する予定だ。COMDEXの会場ではきちんと動作するモデルを展示していた。

(8k) SyQuest社は一度に2製品を展示した。3.5インチ・ディスクを使った1GBの「SparQ 1.0」と5.25インチで4.7GBの「Quest」である。SparQはSyJetのローコスト版。カートリッジ内のディスク数を1枚に減らしてコストを下げた。ただしSyJet(容量1.5GBでカートリッジにはメディアを2枚内蔵する方式)とは互換性がない。ドライブが199ドル,カートリッジは3セット・パックで99ドルである。

一方のQuestは5.25インチ・ディスクを2枚使ったハイエンド向けの製品である。Ultra SCSIインタフェースを標準装備する。 (6k)

(7k) SyQuest社のAsia Pacific Sales担当のVice President,Greg Peel氏は「SyQuest社は危機を乗り越えた。経営陣を全面的に入れ替え,ベンチャー・キャピタリストなどから出資を得た。新生SyQuest社を印象づけるためロゴも新しくした」と語る。現在販売中の「SyJet」の後継機も開発中。98年下半期に登場予定で「現在のSyJetとは上位互換性を持つ」(Peel氏)。

両者を迎え撃つ形の米Iomega社は,9月東京で開催されたのWORLD PC EXPO '97ですでに発表済みの「Jaz 2GB」に加え,超小型のリムーバブル「clik!」を展示した。 (8k)

(7k) clik!は容量40MBの超小型カートリッジを使ったリムーバブル・ディスク。メディアにはプラスチックを使っており,技術的にはZipドライブに近い,という。単体のドライブでパソコンの周辺機器として使うほか,ディジタル・カメラやPDA(携帯型情報機器)に内蔵する計画だ。すでにEastman Kodak社,Hewlett-Packard社,日立製作所,Polaroid社といったメーカーが採用を検討している。

●写真1 Castlewood Systems社が展示した「ORB」。2.16GBの容量がある
●写真2 SyQuest社の3.5インチ・ディスクを使った1GBの「SparQ 1.0」
●写真3 5.25インチで4.7GBの「Quest」
●写真4 SyQuest社の新しいロゴ
●写真5 Iomega社の「clik!」
●写真6 clik!のカートリッジ。容量は40MB

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This page was last updated on Wed, Apr 15, 1998 at 9:22:52 PM.
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