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立ち上がる兆しのUSBマーケット
IEEE1394はもう少し時間が必要

[Friday, November 21, 1997 シリコンバレー・オフィス発、山田 剛良=日経MAC]

パソコンと周辺機器をつなぐ2つの新しいシリアル・バス規格,USB(Universal Serial Bus)とIEEE1394(FireWire)。両者とも普及を推進する業界団体が中心となって,関連製品を集めたブースを,開催中の世界最大のパソコン展示会「COMDEX/Fall '97」に設置した。

結論から言えば,USBの普及は「Windows 98」がリリースされる98年中盤から始まりそう。一方,IEEE1394の方はまだしばらく「ハイエンド向けのオプション」という地位にとどまりそうだ。

一通りの製品がそろったUSB
パラレルやシリアルとの変換器も登場

USBの方はすぐに使える製品が今回のCOMDEXで続々登場したのが大きい。Microsoft社の「Natural Keyboard Elite」(写真1),3COM社(U.S.Robotecsブランド,http://www.3com.com/)の56Kモデム「U.S. Robotics 56K Voice Faxmodem」。これに加え,米Connectix社(http://www.quickcam.com/)のビデオカメラ「QuickCAM VC」(写真2,99ドル)やビデオ画像取り込みインタフェース「QuickClip」(写真3,99ドル)といったユニークな製品も出てきた。
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(9k) Microsoft社のデモにしばしば登場するLogitech社(http://www.logitech.com/)のスキャナー「PageScan USB Scanner」(写真4)やキーボードやマウス,HUB内蔵型ディスプレイなどを含めると,USBが当初想定した製品は一通りそろったと言える。心配されたコストも従来品と大きく違わない。

ただし各社とも,製品の本格的な普及は「Windows 98やWindows NT 5.0がリリースされた後の98年後半」と口をそろえる。OSがUSBに初めから対応しており,周辺機器メーカーが個別にUSBを利用するための基本的なドライバーを配布する必要がない,という理由が大きいようだ。

RS-232Cシリアルやパラレルといった従来のインタフェースとの互換を保つ製品も出てきた。米In-Systems Design(http://www.in-system.com/)社はパラレル・ポート接続のプリンターをUSBで使うためのケーブル(写真5,59ドル)を開発した。米Paracom Networks社の変換コネクターは(写真6,69ドル)はシリアルで接続する機器をUSBにつなぐ。ユニークなアイデアとしては米Central Data社(http://www.cd.com/)のスイッチ・ボックスがある(写真7)。これはUSBを使ってシリアルポートを4つに増やすというもの。
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いずれも米Intel社や米Lucent Technologies社(http://www.lucent.com/micro/)が提供するUSBとのブリッジ・チップを使い,ケーブルやコネクターに内蔵している。つまり,これらのチップを使えば,従来のインタフェースを使った製品を簡単にUSB対応にできるのだ。実際,Connectix社のQuickCAM VCは内部的に,Lucent Technologies社のチップを使ってパラレル・ポート仕様の製品をUSB対応にしている。

Appleは98年中にADB(Apple Desktop Bus)やシリアル・ポート(RS 422)をUSBに統合する計画だ。その場合,このようなチップを採用する可能性が高い。おそらく,本体にはUSBポートだけを用意して,既存ハードウエアのユーザー向けにブリッジ・チップを内蔵した「互換ボックス」を用意するのではないだろうか。

デバイス・ベイの動作を実演
着実に進むIEEE1394の普及

一方,動画のリアルタイム伝送にも堪える高速シリアル規格IEEE1394では,その普及団体「1394 Trade Association」が,関係各社を集めたブースを用意した。とはいえ,場所はコンベンション・センター2階の一室で,関係者とマスコミ関係者くらいしか寄り付かない分かりにくい場所。展示会場に堂々とブースを構えたUSB陣営に比べると,普及のレベルはまだまだという印象だ。

(9k) 展示は十分に興味深いものだった。注目は「デバイス・ベイ」。IEEE1394のインタフェースを使い,共通のケースに収めたストレージ・デバイスを自由に着脱可能にする,という構想だ。米Seagate Technology社,米Maxtor社,米Western Digita社がハード・ディスクを,富士通や東芝,ミツミ電機といったメーカーがMOドライブ,CD-ROMドライブなどを組み込んだデバイス・ベイの試作品を展示した(写真8)。

ただし,ハード・ディスクのインタフェースが直接IEEE1394化されていたSeagate Technology社を除く各社は,従来のIDE/ATAPIインタフェースの製品を流用したもの。米Symbios Logic社(http://www.symbios.com/)などが提供するIEEE1394-IDE/ATAのブリッジ・チップを使ってIEEE1394と接続する。

(10k) IEEE1394の普及に熱心な米Adaptec社(http://www.adaptec.com/)は98年1月(日本では97年内に登場する)に2つのPCIカード新製品を登場させる。299ドルの「8920」と699ドルの「8945」(写真9)である(マック版は98年春に登場する)。8920はIEEE1394のみ,8945はUltra SCSIとの複合カードである。Adaptec社はこのほか,カードバス規格を使ったPCカードの試作品を展示していた。

インタフェース・ベンダーに比べて,製品ベンダーの歯切れが良くないのは,IEEE1394普及のロードマップがいま一つハッキリしないからだろう。用途は今のところDV(Digital Video)との接続のみ,デバイス・ベイは本当に普及するか分からないという現状では,思い切った投資はしにくい。CDプレーヤーなどオーディオ機器をIEEE1394で接続するデモを行っていたヤマハの担当者も「コンシュマー製品での採用は未定。むしろ(ミキサーやディジタル・レコーダーのような)プロ向けのスタジオ機材での採用が先になりそう」とコメントする。

●写真1 Microsoft社の「Natural Keyboard Elite」
 関連情報:http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1997/Nov97/Elitepr.htm
●写真2 米Connectix社のビデオカメラ「QuickCAM VC」
●写真3 ビデオ画像取り込みインタフェース「QuickClip」
●写真4 Logitech社のスキャナー「PageScan USB Scanner」
●写真5 米In-Systems社はパラレル・ポート接続のプリンターをUSBで使うためのケーブル
●写真6 米Paracom Networks社の変換コネクター
●写真7 米Central Data社のUSB-シリアルポート・アダプター。シリアルポートが4つまで使える
●写真8 デバイス・ベイの試作品。右が米Seagate Technology社のハード・ディスク
●写真9 米Adaptec社のPCIカード「8945」。Ultra SCSIとIEEE1394の複合カードである

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This page was last updated on Wed, Apr 15, 1998 at 9:23:58 PM.
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