今年はWindows市場に参入しますが, マック用ソフトも進化し続けます
[Saturday, February 28, 1998 田中 雄二=日経MAC]
Chihsan Ho氏, 米FWB Software社International Sales Manager
「Hard Disk ToolKit」(HDT)や「CD-ROM ToolKit」など,記憶メディア・ドライブのユーティリティーで定評のある米FWB Software社。新版のHDT 2.5が出荷されるのを機に来日したHo氏にMac OS 8.1対応版の見通しや,マーケティングの計画を聞いた。
●HDTの最新版の2.5(3月18日発行の4月号「新製品レビュー」で詳しく紹介予定)の出荷がかなり遅れました。
いろいろな理由があります。今回のHDTは,改良のためプログラムのコードを30%以上変更しています。このため,開発に時間がかかりました。また,フォーマットやパーティションなどハード・ディスクのハードウエアに近い部分を直接操作するHDTに,トラブルは許されない。その性質上,テスティングを十分に実行する必要があります。これにも時間がかかってしまいました。また,Mac OS 8ですが,英語版と日本語版ではシステムのローレベルの部分で互換性のない部分があり,これの修正とテストのため,ローカライズに時間がかかりました。97夏発表以来の遅れを十分反省し,次回はこのようなことのないようにしたいと思っています。
●Mac OS 8.1への対応は進んでいますか?
2.5ではMac OS 8.1に対応していませんが,対応させるためのアップデータを日本では98年5月に提供します。Mac OS 8.1への対応自体は,特に難しくはないのですが,Apple社から情報を得るのに時間がかかりました。(笑)現在,Appleは非常に混乱しているようで,担当者が次々と変わるという状態です。質問の答えをもらうのに,以前よりかなり時間がかかるようになっています。
●現在のマック市場をどう考えますか?
正直,厳しいと思います。(笑)しかし,FWBというブランドは,マック市場ではかなりの地位にあります。今後,新製品の投入は難しいかもしれませんが,既存の製品は進化させていきます。98年の冬にはCD-ROM ToolKit(CDT)の新版を,99年初頭にはHDTの新版3.0を出荷する予定です。CDTは,今は言えませんが,新しい機能を搭載し大幅な変化を遂げると思います。HDT 3.0には,今まで別売りだったRAID ToolKitの機能を統合し,ディスクの最適化の機能なども追加する予定です。
●Windows市場への参入はあるのでしょうか?
あります。新しいディスク・ツール「DriveUP」を,米国で98年3月中に発売する予定です。今年,Windows 98が登場しますが,インストールにはかなりのハード・ディスク容量が必要です。そこで,増設用ハード・ディスクの需要が見込まれます。DriveUpは,ハード・ディスクの増設ユーザーをターゲットにした,初心者でも簡単にハード・ディスクのフォーマットやセットアップを実行するソフトです。古いハード・ディスクから,新しいハード・ディスクへのデータの移行もサポートします。同時に,ボタン1つで,データを移行したドライブを起動ドライブにもできます。推定推定市場価格は,40ドル程度です。日本では,夏にこの製品を発売します。このほか98年末には,HDTのような高度なディスク・ツールをWindows市場に投入する予定です。
(聞き手=田中 雄二)
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