Apple勢の講演には新味なし 湧かせたのはOffice 98日本語版デモ
[Wednesday, February 18, 1998 星野 純=日経MAC]
2月18日,午前11時から約1時間半に渡ってMACWORLD Expo/Tokyoの基調講演が行われた。米Appleからやって来たスタッフの講演内容に特に新味はなく,会場を湧かせたのは米Microsoft社による「Microsoft Office 98日本語版」のデモだった。
| まず冒頭,暫定CEOのSteve Jobs氏がビデオで登場した(写真1)。「来日できなかったが日本市場に今後も注力していく」と強調した後,メイン・スピーカーの米Appleワールドワイド・セールス&サポート担当上級副社長,Mitch Mandich氏が壇上に立った。 |
Mandich氏(写真2)は,米Microsoftとの提携,G3マシンの出荷,BTOによる直販など,Jobs氏を中心にした新しい役員会のかじ取りの元,Appleが「いい方向」へ向かっていると強調した。また氏は「今年の5月には,米国で市販チャネルでもBTOを導入する」とも語った。日本での直販については,未だ具体的な予定が立っていない模様。
続いて,米Appleソフトウエア・エンジニアリング担当上級副社長のAvie Tevanian氏が登場。氏の講演は,「Mac OS 8」,先ごろ日本語版についても発表された「Mac OS 8.1」,近くリリースが予定されている「QuickTime 3.0」について改めて紹介したのみ。開発中の次世代OS「Rhapsody」を始め,その他には全く触れなかった。
「QuickTime 3.0」は,QuickTimeシニア・アーキテクトのPeter Hoddie氏がデモ。新しい圧縮技術やインターネットでのストリーミング再生,市販されるプロ・バージョンなど新バージョンの特徴を紹介した。また,ISOにより現在策定準備が進められているMPEG4で,QuickTimeがファイル・フォーマットの基本技術として採用されたことも紹介した。
Hoddie氏によれば,QuickTimeについても日本にはターゲット層が多く存在しているとし,「断言はできないが,3.0は英語版リリース後,7日以内に日本語版もリリースするつもり」だという。
この後,米Microsoft社,マクロメディアによる新作ソフトのデモが行われた。特に会場を湧かせたのは,米Microsoft社マック版製品のジェネラル・マネージャーBen Waldman氏(写真3)による「Microsoft Office 98日本語版」の初公開デモ。「Word」,「Excel」,「Internet Explorer」など,“マックらしい”インタフェースを装備した最新版の機能を紹介した。
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