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オンライン・ショップ「Apple Store」は
ユーザー,流通の両面にメリット大

[Thursday, February 19, 1998 編集長・林 伸夫=日経MAC]

Mitch Mandich
Apple Computer社
ワールドワイド・セールス担当上級副社長
(7k)

●あなたのキーノート・スピーチを聞いた人の中には,5月から日本でもオンライン・ショップのApple Storeが始まると理解している人がたくさんいますが,真相は?

いや,私は日本で5月から開始するなんて一言も言っていません。どうしてそんな話が出てきたか,私も不思議でなりません。うちの日本の広報担当者に確かめたところ,会場内で流れていた同時通訳が,誤解を招くような訳し方をしたのが原因だろうと思います。

私が5月からApple Storeを開始すると言ったのは,米国内の話です。米国で,今までやっているBTO(Build to Order;注文生産)ベースのApple Store機能を,小売店でも使えるようにするということなんです。これまではApple Storeは購入者が直接Webにアクセスし,自分でオプションを選びながら注文を出すしか方法がなかったのですが,5月からは全米の販売店で,ものを見ながら,セールスマンと相談し,そこの店からオンライン発注できるようにします。

こうすることにより,購入者は手ごたえを感じながら品物を購入できます。発注された品物は,その時点でBTOの仕組みを通じ,注文に応じて組み立てられ,発送されるというわけです。品物はお店に届けることもできますし,直接購入者の元にトラックで運ぶということも選択できます。

こういう仕組みが動き始めれば,これまで定価販売しかしていなかったApple Storeも販売店により,サービスと,価格に差を付けることができるようになります。買いたい人には大きな魅力になるでしょう。製品価格も安くなります。

一方,販売店にも大きなメリットが出てきます。在庫の必要がなくなる,お客さんの好みに応じた製品を進めることができる,SI的な機能を持っている販売店は,ソリューション提案にぴったりの製品を収めることができる。従来よりもきめ細かいカスタマイズが可能になってくるというわけです。さらに流通コストが抑えられ,利益率も高められます。

Appleも当然在庫の問題がなくなる,最も安い部品を発注時点で買ってこれる,ということで,利益率を改善することができます。

これらのチャネルには教育に特化したチャネル,企業向けのチャネルなどがあるわけですが,こうしたチャネルもApple Storeを使ってくることになります。大企業向けのSI業者などもカスタマイズ幅が大きくなれば,より良い提案ができるようになります。

●そんなにいいことずくめなら,日本でも早く始めればいいじゃないですか。何に時間がかかっているのですか? 特に日本では今まで,ほしい時に注文しても製品がない,製品が入ってきたときにはもう別の製品,場合によってはDOSマシンを手に入れてしまっていて,もういらないなどという事態が起きていました。こういう問題を解決するのに最もよい手法ではないのでしょうか?

まさにその通りです。私もそういう立場で,この仕組みを日本の代理店さんにも理解してもらおうと努力しています。しかし,その話し合いにはまだ時間がかかりそうです。今年中にまとめたいと考えています。

●日本でApple Storeを始めるときにBTO方式で行くのですか?

もちろんです。オンライン・ショッピングがビジネスモデルとして本当に意味があるのはBTOがあるからこそです。在庫を抱えてオンライン・ショッピングをしていては意味がありません。アメリカに置いたサーバーに一元的に注文を集め,シンガポールで組み立てるといったグローバルな取り組みをしていきます。

●98年中に日本でも動きがありそうですが,それまでに他の動きはないのですか?

次の四半期には欧州への展開を考えています。イギリスや北欧ですが,全世界的なBTOシステムが正常に機能するにはまだまだ力を蓄えていかなければなりません。

とにかく,購入したい人に大きなメリットをもたらす仕組みだと思います。さらには企業向けのSI業者などをAppleに引き込む布石ともなるものです。ぜひ成功させたいと思います。

(聞き手・林 伸夫=日経MAC編集長)

インタビューの詳細は日経MAC4月号〔3月18日発売)に掲載予定です。


ミッチ・マンディッチ(Mitch Mandich)略歴

Apple Computer社,ワールドワイド・セールス担当上級副社長

Apple Computer社の幹部役員,Mitch Mandichは,ワールドワイド・セールスを統括する上級副社長であり,ワールドワイドにおける販売活動に対する責任を負っている。

Mandichは,クライアント・サーバー分野では18年を超えるキャリアを持っている。前北米事業部担当副社長であり,1997年2月にAppleに入社するまではNeXT社でワールドワイド・セールス&サービス担当の副社長であった。同社では,企業顧客向けにインターネットおよびクライアント・サーバー・ビジネスの戦略を開発,指揮した。

NeXT入社前は,Siemens Nixdorf社のPyramid Technologyにおいて,アメリカでのセールス&マーケティング担当の副社長を務め,同社の発展と収益に貢献した。Pyramid社の前は,Tandem社でアメリカ販売事業部ディレクター,西部地域販売部門ディレクターなどを歴任した。Mandichのコンピュータ技術分野での経歴はUNISYS社から始まり,同社ではさまざまな販売,管理部門での役職を経験した。

MandichはUNISYS入社前,ウエストヴァレー・カレッジとサンノゼ州立大学で社会学の教鞭を執っていた。出身校はカリフォルニア大学バークレー校である。

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This page was last updated on Wed, Apr 15, 1998 at 9:46:24 PM.
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