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Newer社が開発中のG3カード第2陣
初代Power MacとPB 2400で実機テスト

[Friday, March 13, 1998 田村 嘉麿=日経MAC]

本誌98年3月号特集で紹介した初代Power Mac用とPowerBook 2400c用のG3アップグレード・カードが,MACWORLD Expo/Tokyoで早くも披露された。開発元は米Newer Technology社で,国内代理店であるアークポイントとメディアヴィジョンのブースでプロトタイプが展示された。

これで8100や7100もG3の仲間入り

初代PowerMacとは,94年に発売された8100,7100,6100といった型番のモデルだ(「NuBus型Power Mac」などとも総称される)。これらはPowerPCプロセッサーがロジック・ボード(主回路基板)に直付けされており,第2世代の7500や8500のように,PowerPCを載せたサブカードを交換してアップグレードすることができない。現在市場にあるG3カードはすべて第2世代Power Macに向けた交換用サブカードであるため,初代Power MacをG3マシンに生まれ変わらせるG3アップグレード・カードは待望の製品と言えるだろう。

PDSに装着してアップグレード

Newer社の初代用G3カード「MAXpowr G3 6100」,「MAXpowr G3 7100/ 8100」は,「PDS(Processor Direct Slot)」と呼ばれる旧機種独特の高速拡張スロットに装着する(写真)。ロジック・ボード上のPowerPC 601は機能を殺され,PDSカード上のPowerPC 750が働く。

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既存のメモリーや周辺機器は基本的にはそのまま使える。拡張カード類で障害が出る可能性は完全には否定できないが,Newer社では現在,各種拡張カードや,8100ベースの互換機を含めて互換性の検証を行っている。

210MHzと240MHzの2グレード

製品は2グレード×2タイプ。210MHzのPowerPC 750に,105MHzで動作するバックサイド2次キャッシュを512KB装備した普及型モデルと,240MHzで160MHz/1MBのバックサイド2次キャッシュを積んだ上級モデルがある。それぞれ6100用と7100/8100用は別製品となる。

7100/8100用は特殊なPDSのコネクターがあり,従来PDSに装着していたAVカードやビデオ・カードを,ドーター・カードとして数珠つなぎ型に装着できる。今回入手したプロトタイプはまだこの機能を実装していなかったが,製品版では直接ドーター・カードとして本カードに垂直に差すか,専用のマウント(装着台)でロジック・ボード上に固定したAVカード類を専用ケーブルで本カードと接続する方式が取られる。

7100/66がG3 DT233を超えた

240MHzモデルのプロトタイプを7100/66に装着して,「System Info」(米Symantec社のベンチマーク・ソフト)でCPU性能を計測した。

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●System Infoで計測したCPU性能。7100/66を100%とした相対値(グラフが長い方が速い)

アップグレードする前の7100/66は,66MHzのPowerPC 601で2次キャッシュはなし。今では貧弱この上ないマシンが,Power Macintosh G3 DT233を上回るから驚きである。アップグレード前に比べると,実に6倍近い速度アップである。なおプロトタイプのため,ビデオやFPUなどは支障があってテストできなかった。

240モデルが247.5MHzで動く理由

7100/66のシステム・バス(周辺機器のデータ転送路)のクロックは33MHzで,PowerPC 750はプロセッサー/バス・クロック比が7.5となる247.5MHzで動作している。233MHzのPower Mac G3 DT233を上回るのもうなづける。

初代Power Macのバス・クロックはロジック・ボードに固定で,G3カード側で変更することができない。ここが第2世代Power Macと違う点で,システム・バスは30M,33M,40MHzのいずれかだ。これに規定の倍率(3.0から8.0まで0.5きざみの11段階)を掛けたうち,動作保証限界に入るものがPowerPC 750の動作クロックとなる。

取り得る値が飛び飛びになるため,装着する機種のバス・クロックでプロセッサー・クロックが若干変動する。8100/100より8100/80に装着した方が速い,といった逆転現象も起こるので注意したい。例えば210MHzモデルはシステム・バスが40MHzの8100/80では220MHzだが,33MHzの8100/100で使う時は214.5MHzとなる。

8〜13万円で5月発売。先行予約も

Newer社は98年5月に発売する予定で,国内代理店2社とも,追って日本語版を発売する計画だ。アークポイントでは現在,先行予約を受け付けている。メディアヴィジョンは先行予約は行っていないが,米国で発売開始次第,極力早く店頭に並べる意向。

価格は未定だが既存製品との比較から,6100用の210MHzモデルは8万円,240MHzモデルは11万円弱,8100/ 7100用の210MHzモデルは9万〜10万円,240MHzモデルは12万〜13万円となる見込みだ。初代Power Macユーザーには魅力的なアップグレードだ。

Expoの20時間前にできた2400c用

注目のPowerBook 2400c用G3アップグレード・カード「NUpowr G3」(仮称)だが,実はNewer社自身まだ正式に発売を決めていない。今回はあくまで参考として試作品を提供してもらった。

これはMACWORLD Expo/Tokyoで展示されたものだが,Expoの開幕20時間前に出来たという代物だ。全世界で初めての,実際に動作するPowerBook 2400c用G3カードである(98年1月のMACWORLD Expo/San Franciscoで同製品が展示されたが,そちらは動かない模型だった)。

現時点でのスペックは,240MHzのPowerPC 750に,96MHzで駆動する512KBのバックサイド2次キャッシュ。まだ開発中なのでメモリー・ウェイトが入っており,そのため性能が3割ばかり遅くなっているそうだ。

実際に発売する際には,消費電力と発熱量,そしてコストを考慮してクロック周波数を決定する計画だ。本プロトタイプが問題なく動くことから,技術開発はほぼ終わっており,後は仕様のツメを残すだけと言える。

3割減状態でもG3ノートと同性能

PowerBook 2400cの基本仕様は,180MHzのPowerPC 603eにルックアサイド方式(従来型)の2次キャッシュが256KB。PowerPCチップをサブカードとして実装するため,それをすげ替えてアップグレードが可能である。

NUpowr G3に差し替えてSystem Infoで計測したところ,CPU性能はアップグレード前の約2.5倍となった。

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●System Infoで計測したCPU性能。PowerBook 2400c/180を100%とした相対値(グラフが長いほど速い)

250/100/512KのPowerBook G3とそう変わらない性能である。本誌98年3月号特集でインタウェアのPowerBook1400用G3カード(233/117/ 512K)をテストしたが,現時点でのCPU性能はそれとほぼ同じである。製品版はメモリー・ウエイトも外され,さらに速くなるというから,大いに期待できる。

取り付け体制万全のアークポイント

問題は装着サービス。分解/組み立てに手間のかかるサブノート型の2400cへのG3カードの装着は一般ユーザーには難しい。製品が完成しても,取り付けサービスの手段や価格を明確に打ち出せるまで,出荷したくてもできない。

アークポイントは,PowerBook 500シリーズのPowerPCアップグレード・カードを直販した際,専用の輸送箱をユーザーに送るという装着サービスを実施した。これに加えて,PowerBook 500シリーズやPowerBook 1400シリーズで実施している日本NCRのサービス窓口「クイック・ガレージ」を利用できるよう,協議を開始していると言う。「既存PowerBookのアップグレード・サービスはクイック・ガレージの3店舗で行っているが,2400ではこれを15店舗ほどに拡大したい」(アークポイント事業企画推進ディレクターの平賀安利氏)。

また2400cのアップグレードに合わせて,製品の販売とサービスを明確に切り分けたいと言う。クイック・ガレージでは直販,販売店での購入を問わず,サービスを提供する計画である。こうしたアップグレード・サービス体制を既存のPowerBookアップグレードにも適用していく方針だ。

今出したら20万円なので時期を見て

メディアヴィジョンもExpoで,試作G3カードを搭載したPowerBook 2400cを展示した。ブースの説明員によると,「早く出荷したいが,現在のPowerPC 750チップの調達価格から見て,価格が20万円程度になってしまう。“高くても構わないから早く売れ”というユーザーがいるのも承知しているが,できれば10万円程度で販売できるタイミングで出荷したい」。ただし,Newer社のライバルであるインタウェアが2400c用G3カードを発売開始した場合は,それに負けないタイミングで発売できるようNewer社と戦略を練る。

Newer社が発売を踏みとどまっているのは,PowerBook 2400cの出荷台数が少ないのが理由だ。サブノート型の2400cの市場は日本が中心である。日本での総出荷台数は6万台程度なので,仮に10%のユーザーがアップグレードするとしても,市場規模は6000台にしかならない。しかも,その中でNewer社とインタウェアが競合することを考えると,かなり厳しい商売との声も出ている。

サブノート型の2400cは日本人にはなかなか好評。ぜひG3アップグレード・カードの発売を望みたい。

●製品情報

MAXpowr G3 7100/8100
NUpowr G3 2400

開発:米Newer Technology社
連絡先:アークポイント 078-265-3400
    メディアヴィジョン 03-3222-4368
価格:オープン
出荷:MAXpowr G3は米国で98年5月
   NUpowr G3 2400は発売自体が未定
情報:http://www.newertech.com/
   http://www.arcpoint.com/
   http://www.mvi.co.jp/

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This page was last updated on Wed, Apr 15, 1998 at 9:50:16 PM.
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