Apple,新一体型マック「iMac」を発表 8月出荷,750/233MHzで1299ドル
[Thursday, May 7, 1998 シリコンバレー支局,山田 剛良=日経MAC]
米Apple Computer社は98年5月6日(米国西海岸時間),米California州Cupertino市で発表会を行い,2つの新製品をアナウンスした。最高292MHz動作のPowerPC 750を搭載した新しい「PowerBook G3」と新しい一体型マック「iMac」(アイ・マック)である。
PowerBook G3は即日出荷,iMacの方は98年8月(発表日から90日以内)に出荷する。両者ともまったく新設計の製品。注目はiMacの方だ。発表会では同社暫定CEO(最高経営責任者)のSteve Jobs氏が自らベールをめくって満場の聴衆に紹介した。「Appleは帰ってきた。この製品でAppleはコンシュマー市場に改めて挑戦する」。
iMacは233MHz動作のPowerPC 750を搭載し,最大1024×768ピクセル表示可能な15インチ・モニターを内蔵した一体型マシン。きょう体,ボードともに完全な新設計だ。
デザインはコンパクトで丸みを帯び,いかにもJobs氏好み。グリーンの半透明プラスチックを随所に使い,ざん新な印象だ。前面パネルにCD-ROMとステレオ・スピーカー,IrDAインタフェースを置く。後部には持ち運びのための取っ手がある。Ethernetなどのインタフェースは側面にまとめられ,カバーで隠されるようになっている。
インタフェースは,USB(Universal Serial Bus)ポートを2つ,100Base-Tx Ethernetポートを1つ持ち,33.6kbpsのモデムを内蔵する。これ以外はフロント・パネルに転送速度4MbpsのIrDAポートと2つのヘッドフオン・ジャックがあるのみ。
スケルトン・デザインの新しいキーボードとマウスはUSB(Universal Serial Bus)で接続する。シリアル,ADB,SCSIといった従来のインタフェースは一切ない。「我々は昨年のWWDCで,Appleが今後注力するインタフェースはUSBとFirewire(IEEE1394)だとアナウンスした。その時が来ただけだ」(Worldwide Marketing担当副社長のPhilip Schiller氏)。
メモリー(SDRAMで128MBまで)とビデオ・メモリー(SGRAMで4MBまで)は増設可能。「底面のカバーを開ければボードには簡単にアクセスできる」(Schiller氏)。しかしPCI拡張スロットはない。内蔵ハード・ディスク,CD-ROMドライブはIDE(ATAPI)で接続する。メモリー・バスの動作周波数は66MHz。バックサイド方式2次キャシュは512KB。このあたりのスペックをみると,現行Power Mac G3で使われている「Gossamer」ボードをベースに再設計したようだ。
iMacのOSは「8.1」。このほか「Internet Explorer 4.0」「AOL」「Apple Works(Claris Works)」「Quicken 98」「FileMaker Pro」といったソフトをバンドルする。
Appleは「iMac」をBTO(Build to Order)方式で提供する。32MBのメモリー,2MBのビデオ・メモリー,4GBのハード・ディスク,24倍速CD-ROMというコンフィグレーションの予定価格は1299ドルである。
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