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WWDCフォトレポート(2)
次々に明らかになるAppleの次世代戦略

[Thursday, May 14, 1998 編集長,林 伸夫=日経MAC]

Steve Jobs暫定CEOのセンセーショナルなMac OS X(テン)の発表で幕を開けた98年の開発者会議「Apple Worldwide Developers Conferenece」(WWDC)。Mac OS Xは,近いうちに死に果ててしまうのではと心配されたMac OSが不死鳥のごとく生き返るきっかけでもある。

4つもの実行環境を持つ複雑なOSに対応させるのはディベロッパーにとっては,ある意味で,相当な苦難の道だ。しかし,ユーザーにとっては今使っているマック環境を,そのままシームレスに未来へ引き上げてくれる夢の掛け橋でもある。「詳細は未定」としている部分が多かったが,それでも開発者の多くは好意をもって受け入れた。

さらに今回のWWDCでは,劇的な変化を遂げようとしていることがさまざまなセッションの中でさりげなく明らかになった。

高速化の道を付き進むマッキントッシュ本体

キーノート・セッションではPowerBook G3に400MHzのチップを載せた技術参考マシンを公開したし,98年末までにはマザー・ボードのクロック周波数は100MHzへ引き上げられることが明らかになった。来年はさらに高速のボードを搭載したマシンも登場する。

(8k) 写真1 今年中にメモリー・バスのクロック周波数は100MHzに到達する。98年はさらに高速バスが採用される。

ネットワークは当然100BASE-Tが標準,グラフィックス・アクセラレーターはカナダATI Technologies社の「3D RAGE PRO」ないしはその時点での最速チップ,AGP(Accelerated Graphics Port注1))の採用。いずれも,グラフィックスの高速化には鍵となる技術だ。

QuickTime 3DにOpen GLの切り口を設ける。これまでグラフィックスが遅いといわれたマックにようやく光明が見えてきた。PCIバス・スピードは現行の実効値50MB/s以下に対し,240MB/sに高速化される。

(6k) 写真2 ディスプレイ関係も高速化が約束された。

(7k) 写真3 ネットワークは100BASE-Tへ,シリアル,ADBポートはUSBへ,SCSIはFireWireへ。

そして切り札となるのがMotorolaが完成間近であることを表明した,マルチメディア・データを高速演算する「AltiVec」機能。AltiVecはPowerPCの拡張として設計された高速のベクトル演算チップ。これを使うと,3次元のレンダリングなどがG3チップのみの時よりも30倍も速くなる。

(6k) 写真4 99年にはAltiVec機能付きのPowerPCが登場する見込み。パフォーマンスはまさに一直線に伸びていく。

写真5 AltiVec付きのPowerPCの構造図。右端のVector Unit(ベクトル演算ユニット)が付加機能の部分。これが付くことで,オーディオ,ビデオなどのデータ処理が格段に速くなる。3Dのレンダリング処理などに使えば,30倍のスピードアップになる。かつて「TriMedia」注2)という仕組みがマックにも導入されるとの動きもあったが,AltaVecの劇的なパフォ−マンスが明らかになったことで,完全に葬り去られた形だ。同様の仕組みにMMX Pentiumがあるが,機能,スピードともに圧倒的に上回っているという。(7k)


注1)AGP(Accelerated Graphics Port)はグラフィックス処理を高速に行うための仕組み。PCIバスの制約から逃れるために,グラフィックス・カードをシステム・バスに直結し,メイン・メモリーと高速でデータをやり取りする。このためグラフィックス・カードとチップ・セット(メモリー・コントローラー)がAGPに対応する必要がある。Windowsの世界ではすでに実用期に入っている。AGPの基本転送速度(AGP 1Xモード)は264MB/s(32ビット幅×66MHz)で,2倍モード(AGP 2X)の528MB/s(32ビット幅×133MHz)までが規格化されている。

注2)「TriMedia」はオランダのPhilips社が開発したマルチメディア処理専用チップ。MPEGフォーマットの動画圧縮・解凍などを高速で処理する。Appleが96年秋に採用を表明していた。

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This page was last updated on Sun, Jun 21, 1998 at 2:14:02 PM.
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