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米E4（Elecede Technologies）社(http://www.e4.com/）は，PCIマックにDVDムービー再生機能を追加するキット「CoolDVD Mac SCSI DVD-ROM Upgrade Kit」（以下CoolDVD SCSI）を98年7月上旬に出荷する。

米国の店頭価格は549ドル。同社はCoolDVD SCSIの出荷後，ボードとソフトのみのキット「CoolDVD Mac DVD Playback Card」の出荷も予定しており，こちらの予定価格は279ドル。

CoolDVD SCSIのパッケージには，SCSI接続のパイオニア製DVD-ROMベア・ドライブ，デコーダー・ボード，ケーブル，プレイヤー・ソフトが含まれる。ユーザーはCoolDVD SCSIを組み込むことで，DVD-ROMの再生はもちろん，マックをDVDプレーヤーとして使える。

付属のデコーダー・ボードはPCIスロットに接続する。MPEG-2，MPEG-1のデコードを行うほか，一般的なDVDプレーヤーと同様に暗号化スクランブルの解除機能を持つ。このため，ハリウッド映画のような，プロテクトのかかったタイトルもパソコン上で再生が可能だ。

マックの画面上への出力のほか，S-Video出力とコンポジット・ビデオ出力を持つ。音声は「Dolby Pro Logic」対応で，「Dolby Digital」（AC-3）デコーダーへの接続用にディジタル音声端子を持つ。

CoolDVD SCSIの機能は，先に出荷済みの「CoolDVD Mac DVD-ROM Upgrade Kit」とほぼ同等。大きく異なる点はDVD-ROMドライブがIDEからSCSI接続になったこと。この結果，「Power Macintosh G3シリーズのみ」から「PowerPC 603e/120MHz以上搭載のPCIマック」へと対象機種が大きく広がった。キットには本体への内蔵を想定してベア・ドライブが付属するが，ケースに収めて外付けドライブとしても使える。

細かい改良点としては従来2枚構成だったボードが1枚にまとまったこと，プレーヤー・ソフトのバージョンが1.5になり，NTSC-PAL間のコンバート機能（PAL仕様のDVDがNTSCテレビで見られる）などが付いたこと。Apple Computer社製最新のDVD-ROM/CD-ROMドライバー・ソフト，Adptec社製のUDFドライバー・ソフトが付属することなどが挙げられる。なお，最新のソフトはCoolDVD SCSIの出荷後，同社のホームページからダウンロードが可能になる予定。

E4社は現在，日本代理店と交渉中。同社製品の日本市場への正式な登場は「98年9月か10月ごろになる見込み」（E4社National Sales ManagerのMike Schmitt氏）。それまでは英語版を米国から輸入して使うしかない。日本語環境での使用は保証していないが「原理的には問題なく使えるはず。日本で販売されているDVDタイトルの再生も可能だ」（Schmitt氏）。