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　コンピューター・グラフィックス（CG）では世界最大規模の学会「SIGGRAPH 98」（Special Interest Group on Computer Graphics，http://www.siggraph.org/）が7月19日，米Florida州Orlando市のOrange County Convention Centerで開幕した。ただし注目の先進技術の展示会は21日から。まずは，会場の雰囲気をお届けしよう。

SIGGRAPHはACM（The Association for Computing Machinery：米コンピュータ学会）が主催する息の長い学会。98年は25周年に当たる。

展示会場の中央部分のテーマ・パビリオンだけが19日の夕方5時に先行オープン。ここには25周年を記念して，CGが未来の生活に与える影響をテーマとした「Digital Pavillions」や子供や初等・中等教育課程の学生などを対象にCGやアートの世界を実際に体験してもらう「sigKIDS」などのコーナーが設けられている。

テーマ・パビリオンのなかでユニークなのが「Art Galley」。テーマは「Touchware」だ。CGインタフェースの未来を探る各種各様の試みが興味を引く。投影された気象衛星の画像の一部に触れるとその場所の温度が手で感じられるとか，フロアに並べたオブジェクトに触れると，その影をCGで演出してみせるといった展示が所狭しと並ぶ。

マックを使ったTouchwareもあった。その中からちょっとおもしろいものを紹介しよう。米Florida州立大学のKeith Roberson氏の作品「Litt'l Havoc」がそれ。

ショッピング・カートの中に，Power Mac 6100とCRTディスプレイ，自動車用バッテリーをほうり込み，カートの動きにマウスが連動する。カートを前後左右に押すと，3DのCGゲームの「Havoc」などが操作できる仕掛けだ。

原理はいたって簡単。カートの動きを逆さまにしたトラックボールで検出する。前後左右が逆にならないように，テニス・ボールを床面との間にかませている。ちょっと動かしてみた。見た目はばかばかしいが，体感的にはなかなか。