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小サイズで大きな効果
QT3活用でWebグラフィックスに革命

[Tuesday, July 14, 1998 New York特派,改井 満=日経MAC]

Webのグラフィックスに比較的簡単に動きを与えることができるとして,普及したAnimated GIF(以下GIFアニメ)。しかし,基本はパラパラ漫画方式なので,時間が長くなればなるほど,動きを滑らかにすればするほどファイル・サイズが大きくなってしまう。かと言ってDynamic HTML対応の高機能HTMLエディターを使って,ページ全体をオーサリングするのも面倒。

こんなニーズにぴったりのソフトが,Expo展示会場にあった。米Lari Software社(http://www.larisoftware.com/)の「Electrifier Pro」だ(http://www.electrifier.com/)だ。

動くグラフィックスを,とても小さなサイズのQuickTime 3(QT3)ムービーにしてしまう。GIFアニメでよく見かける背景の上をオブジェクトが移動したり,ロゴが舞うといったケースでは,Electrifierで作成したQT3ムービーのサイズがGIFアニメの1/5から数百分の1にまで小さくなる(図)。QT3さえインストールされていれば,プラットフォームを問わず再生できる。

使い方はとても簡単で,ムービー,グラフィックス,サウンドなどのオブジェクトをドラッグ・アンド・ドロップでElectrifierの編集画面に配置し,フローティング・パレットからオブジェクトに動きや効果を与える。編集途中でも動きを大まかにプレイバックできる。

(9k) ●図 Elerctrifier Proで作成したグラフィックスの例。水中から見上げた蝶のイラストで,実際にはゆらゆら揺れている。任意の位置をクリックすると波紋が広がる。サイズは288×346ドットでわずか33KB。

秘けつはQT3のフル活用

Electrifier Proは現在β版段階で,Webページでも公開されているが,ひっきりなしにブースに来場者が押しかけ,デモを一通り見た後,必ず「いくら?」と質問する。対応に追われるLari Software社社長のMihail Lari氏(写真)に,どうしてサイズを小さくできるのかを聞いた。

(11k) ●写真 Lari Software社CEOのMihail Lari氏。同社のブースではマン・ツー・マンのデモを希望する来場者がひっきりなし。

●基本的な考え方は?

グラフィックスを構成する要素と,それぞれの“動き”,その双方を極限まで小さくするのが基本です。これらはQT3でようやく実現できたことなんです。背景から説明しましょう。QT2.5からスプライト・トラックが使えるようになり,背景から動きのあるオブジェクトなどを分けて扱えるようになったことはご存じですよね。この時点でパラパラ漫画からの脱却が可能になったわけです。

QT3ではこれに加え,ベクトル・グラフィックスがサポートされ,より効率の高い圧縮方式が数多くサポートされました。ムービーではSorensen Video圧縮,サウンドではQDesign圧縮がその代表的な例です。ロスレスのzlib圧縮も見逃せませんね。これまでの「シネパック圧縮」などより,格段にクオリティー高いムービーが,より小さなサイズで作れるようになりました。グラフィックスを構成する各要素のサイズを,まず抑えることが可能になったのです。

●動きを小さくするとはどういう意味でしょう?

これもQT3のおかげと言ってよいでしょう。QT3では多様な動きやエフェクトを,我々からみても十分だといえるだけ内蔵しています。つまり,グラフィックス側から見ると,オブジェクトの振舞いを指示しておくだけで,ユーザーのパソコンにあるQT3が実際に画面上で再生してくれる仕組みです。半透明のオブジェクトが動き回ったり,メラメラ燃える炎などのエフェクトは,Electrifier Proで作成したグラフィックス・データの中では,それぞれ,わずか1KB以内に収まっているのです。

こう説明すると「Lari Softwareは何をやったのだ」と聞かれるかもしれません(笑)。QT3のファイル形式やエフェクトなど,すべての機能をサポートするのは大変な作業なんです。そして,それをだれにでも使えるようなインタフェースにまとめるのにも腐心しました。デモを見て,使えると思ったでしょう?


Electrifier Proが製品化されるまでにはあと2〜3カ月ほどかかるという。価格は395ドルで,Webでの予約も可能。Expo会場では特価295ドルで販売されていた。製品出荷と引き換えにクレジット・カードから引き落とす。

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This page was last updated on Tue, Jul 21, 1998 at 5:05:07 PM.
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