iMacをベンチマーク ビデオ性能でDT 233をしのぐ
[Thursday, August 20, 1998 シリコンバレー支局,改井 満=日経MAC]
日本でも98年8月29日に発売されるiMac。一足先に英語版の製品を使って,その性能をテストした。
233MHz動作のPowerPC 750(G3),512KBのバックサイド型2次キャッシュ,66MHz動作のシステム・バスと技術的には同一水準のPower Mac DT 233と比べてみた。内蔵ビデオ性能でiMacがDT 233を33%しのぐ結果となった。その他はDT 233と同性能と言ってよい。
性能計測には米Symantec社の「Norton Utilities」(NUM,英語版3.5.3)に含まれるベンチマーク・ソフト「System Info」を用いた。
iMacは出荷時にハード・ディスクが「Mac OS Extended」(HFS Plus)でフォーマットしてあり,NUM 3.5.3のSystem Infoでは内蔵ディスク性能を計測することができない。そこで,今回は過去のPower Mac DT 233と同じ土俵の上で比べるために,通常のHFSに内蔵ハード・ディスクを再初期化して計測を行った。
その結果が上のグラフ。Power Mac G3 DTを100%とした相対値で,バーが長いほど高性能。CPU,FPU,ハード・ディスク性能はPower Mac DT 233と同じだが,内蔵ビデオ性能はiMacの方が33%速い。
これはグラフィックス・チップを改良の結果だと思われる。同じカナダATI Technologies社製ながら,DT 233が搭載する「RAGE II+」から,iMacでは内部回路のチューンアップを図った「RAGE IIC」を採用したからだ。試しにiMacのディスプレイ表示領域を最大の1024×768ドット,色深度も3万2000色に高めて計測してみたが,それでもDT 233の640×480ドット,256色時よりも20%近く性能が高い。
8月上旬にDT 233の本体価格は約1700ドルだった。しかしiMac出荷直前に製品ラインから消えてしまった。また,後継Power Mac G3シリーズの内蔵ビデオ回路にiMacのRAGE IICより高性能な「RAGE PRO TURBO」チップを採用した。拡張性に優れるとはいえ,1300ドルのディスプレイ一体型機に基本性能で劣るとあっては,つじつまが合わないからだろう。
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