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1998年8月29日午後3時，日本全国でiMacの販売が開始された。

東京では発売開始に先立ち，午後2時から報道関係者，開発者，販売関係者，ユーザーズ・グループのメンバーなどを招待して発売開始イベントが開かれた。

会場には島村楽器の島村元紹社長，亜土電子工業の金山和男社長，マイクロソフトの古川享会長，ジャストシステムの浮川和宣社長が駆けつけ，ビジネスパートナーとしてiMac発売開始の祝辞を述べた。

まず最初に壇上に呼び上げられた島村楽器の島村元紹社長は「新しいライフ・スタイルを提案する企業としてiMacは最適だった」とパートナーになった理由を説明，「カスタマー・モデル」として新しいソリューションを提供したいと述べた。

続いて壇上に呼び上げられた亜土電子工業の金山和男社長は，徹夜で並んでくれたマック・ユーザーの熱心さに感謝するとともに，「iMacがアップル復活のシンボルだ」と述べた。

古くからのマック・ユーザーでもある古川享マイクロソフト会長は，着ていたジャケットとワイシャツを脱ぎ捨て，AppleのMac OS/Office 98/Internet ExplorerをあしらったTシャツ姿になり，アップルともしっかりとしたビジネス・パートナーシップを結んでいくことの決意表明を行った。

最後に呼び上げられたのは，ジャストシステムの浮川和宣社長。iMacを見た瞬間，「何かやってくれそう」とわくわくした感動を感じたことを述べ，これからもマック・ビジネスを継続して行くことを約束した。

続いてiMac発売に向けてソフトの開発を進めていこうとしている開発会社のメッセージがビデオで流されたが，米国のようにiMacならではの全く新しいソフトがアナウンスされなかったのは残念で仕方がない。

続いて販売店での販売開始の3時10分前から，札幌，大阪，福岡の特設会場と中継で結び，各地の様子を会場に流した。3時ちょうどにはカウント・ダウンを行い，その後は再び特設会場をつないで，最初のiMacを購入したユーザーからの質問を原田社長自ら受けた。インタビューを受けたユーザーは全員が熱心なマック・ユーザーだった。

発表会場にはiMacで使えるソフト／ハードも展示された。

イメーションはUSB接続による大容量フロッピー・ディスクスーパーディスクドライブ（SDD-120USBMAC）を展示。9月21日発売，3万3800円（メーカー小売り希望価格）。

エクス・ツールズはiMac誕生記念特別パッケージとして9月11日発売のiShadeを展示した。98年12月末まで9800円。

マイクロソフトはOffice 98を展示。9月4日発売。標準パッケージ6万8800円。

セイコーエプソンは既存のインクジェットプリンターをUSBポート経由で接続できるようにするUSBアダプターキットを展示していた。9月20日に発売する。9000円。対応機種は順次拡大するが，PM-600c，700c，750c，2000c，MJ-830などに対応する予定。

キヤノンはUSBモデルの写真画質カラープリンターBJ 430Jを展示した。9月末発売。5万4800円。

ジャストシステムはiMac用にチューンアップしたATOK 11 R.1.1を9月16日に発売する。価格は9800円。

ユーマックスジャパンはiMac用の画像取り込みスキャナーとしては唯一の機種となるAstra 1220 Uを展示していた。9月中旬から下旬の発売。2万9800円。

ヤノ電器はiMac専用としてUSB接続のフロッピー・ドライブを展示。iMacに合わせて透明な素材を使ったデザイン。価格1万4800円で，9月中旬に出荷する予定。

撮影＝西畑浩憲（日経パソコン），山田剛良（日経MAC）