お前の妹は預かった。返してほしければ、 この地図にある"塔"までやって来なさい。                 〜K〜  すべてはこの手紙から始まった。  さらわれた妹・麻美を取り戻すため、俺は "塔"の女主人の仕掛けた"麻雀遊戯"へと挑む ことになったのだ。  それぞれの階を守る刺客の少女を麻雀で倒 し、鍵を入手して上の階へ上っていく。  負けることの許されない真剣勝負に、俺は ここまでかろうじて勝ってきた。  その戦いの中、俺は知ることになる。  刺客である少女たちが"百合十字会"という 救済組織に属しているということを。 様々な心の傷を持つ彼女らは、外の世界で はうまく生きられない者たちだった。 麻美を救うためだったはずの俺の戦いはい つしかそんな彼女らを癒すための戦いへと変 わりつつあった。  そしてまた、俺は新たな事実を知った。  この"塔"は個人の持ち物ではない。  "主さま"と呼ばれる女性と、彼女を助ける 幾人かの手によって造られたのだ。 麻美を連れ去った"K"という女主人は実在 の人物ではなく、彼女らの誰かが騙っている 偽名にしか過ぎなかった。 そしてそいつこそが、本当の敵なのだ!  最上階を目ざして俺は進み続ける。 この"麻雀遊戯"に秘められたすべての謎を 暴き出し、隠された真実を知るために。  そしてなによりも。  たったひとりの妹、かけがえのない麻美の 笑顔を再びこの手に取り戻すために。 絶対に負けるわけにはいかないのだ!!