ヤマハ(株)は、ハードを使わず、ソフトウェアのみでMIDIデータを再生可能な技術(ソフト・シンセサイザー)を開発し、これを用いたPCカラオケソフト「歌楽(からく)」を発売する。
このソフト・シンセサイザー技術は、インテルのNSPコンセプトに基づくもので、同社の協力を得て開発された。CPUとCodec(音声入出力用チップ)をもつパソコンであれば、MIDI音源がなくてもクオリティの高いMIDIデータの再生が可能なので、ノートパソコンなどにも適応。また、「歌楽」用に発売されるカラオケデータには、ヤマハが新たに開発した「XFフォーマット」が採用されている。これは、スタンダードMIDIフォーマットに、カラオケの曲名、作曲・作詞者のデータ情報を載せるほか、歌詞のワイピング情報などを付加したもの。これにより、通常のカラオケとなんら変わりなく楽しむことができる。
「歌楽」の動作環境は、Windows 3.1またはWindows 95、CPUはPentium 66MHz以上推奨、メモリ8MB以上、ディスプレイ640×480ドット、256色以上、コンピュータ本体に接続可能かまたは内蔵されているPCMサウンド機能。供給メディアはCD-ROM。
同時に、ソングデータライブラリ「PCカラオケシリーズ」(各50曲入り)が6タイトル発売されるほか、NIFTY-Serve、PC-VANでのカラオケデータのダウンロードサービス(300円/1曲)も開始する。
【コメント】
発表会は、アートフォーラム六本木で行われた。実際、音を聞いてみると、なるほど素晴らしいものであった。エフェクトやリバーブもかかり、さらに音源(YAMAHA MU-80など)を接続すれば自分の歌声の加工もできる。デモでは、SMAPの「KANSHAして」を歌ってくれるなど、個人的にとても嬉しかった(レポーターの個人ホームページ参照)。これまでMIDIに縁のなかった人でも、手軽かつ安価、さらに身近なカラオケ、というところから始めてみるというのはどうだろう。今後、このソフト・シンセサイザー技術を、ほかのアプリケーション、ハードへ組み込むことも検討しているとのことなので、パソコンでの音楽環境がさらに身近になることが期待される。
(レポート:大城)