発表会速報
一太郎7 for Windows95(95年11月20日発表)
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ジャストシステムは
ワープロソフトのWindows 95対応版である一太郎7 for Windows95を
発表した。出荷は96年2月以降、価格は未定。詳細は不明だが一太郎7、
三四郎2と今回、新たに開発するプレゼンテーションソフトをセットに
したオフィス製品「一太郎 Advanced Office」の発売も発表した。
今回の発表内容は大きくふたつに分けることができる。ひとつは一太郎7と
ATOK10の新機能。もうひとつは「ダイナミック・ドキュメント・ワーク」と
呼ぶアプリケーション開発コンセプトである。
一太郎7とATOK10
日本語入力時の変換効率の向上や校正支援機能、作表機能の強化などが
はかられている。配布された資料にはJustViewの強化点も
書かれているが発表では触れられなかった。
- 変換効率の向上
構文の意味を解析し長文でも正しい仮名漢字変換が行なえるように
なっている。たとえば「あう」を変換するときに「その服が彼女に
合う」や「その先生が彼女に会う」といった具合に、なにに「あう」のか
によって変換する単語を選択する。前者の場合は服、つまり「物」で
あるから「合う」を、後者の場合は先生、「人」であるから「会う」に
変換する。この機能自体は他社のFEP、たとえばWin95のMS-IME95にも
組み込まれている。
- 校正支援機能
仮名漢字変換時に文章の校正を行なう機能。ら抜き表現(考えれる→
考えられる)、同一助詞の過剰な連続、修飾関係の曖昧性(大きな
赤い目の女の子)、文体の不統一、受け身表現をチェックする。実際に
使ってみないことにはなんとも言えないが、便利な機能であると思う。
- 作表機能の強化
表の中でのインデント設定やプロポーショナルの使用が可能になった。
ダイナミック・ドキュメント・ワーク
ニュースリリースでは「ダイナミック・ドキュメント・ワーク」とは、
コンテンツ(ドキュメント内容)とビュー(ドキュメントの見せ方)を
分離することによって、振る舞いを持ったドキュメントを作り手が作成できる
機能。さらにドキュメントを読む、個々のユーザーに即したビュー(見せ方)機能
など、ネットワーク時代の効果的な情報伝達を推進しようとするコンセプト、と
ある。さらに、これに沿ったアプリケーション開発のためのコンポーネント
技術として「JUSTSYSTEM Open Component Architecture (JOCA)」がある、と
説明されている。
ジャストシステムは、ダイナミック・ドキュメント・ワーク実現する
技術としてJOCAのほかに知識処理、日本語処理、ネットワークを位置づけ
ている。
残念だったのは、これらの技術をどのような形で適用し、その結果、
どのようなメリットがあるのかと言った点が曖昧だったこと。
コンセプト自体はすばらしいし、日本のソフトメーカーで
こういった壮大なコンセプトを考える企業は少ない。そういった意味でも
この技術の将来性に期待したい。
(レポート:笠井)
DOS/V POWER REPORT編集部
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