発表会速報
Lotus Notes R4J発表会(96年3月15日発表)
場所:御殿山ヒルズ ホテルラフォーレ東京
問い合わせ先:03-5496-3111(インフォメーションセンター)
(株)ロータスは,同社のグループウェアソフトであるロータスノーツの新バージョンであるR4Jを発表した。新しく付加された機能などについて紹介する。
「ノーツR4J 基本導入パック」
- ノーツサーバー1ライセンス
- ノーツクライアント1ライセンス
- ノーツデスクトップ5ライセンス
- 合計178,000円
「インストールキット」
ロータスノーツR4Jは,グループウェアとしての機能を強化するために,インターネットと接続する機能を提供した。このため,ノーツのサーバーはWWWサーバーとしての側面を持てるようになった。以下,興味深い新機能を例示する。
- インターネットWebパブリッシャー
ノーツに書き込まれた文書をWWW用のHTML文書に自動変換するソフト。サーバーに搭載されている。これによって,ノーツに書き込まれたワープロ形式の製品案内の文書などをすぐさまWWWのページに展開できる。また,WWWを通じてユーザーから得られた情報を,ノーツに取り込む事ができる。(ロータスのインターネットホームページより無償提供)
- インターノーツWebナビゲーター
ノーツクライアント上でのWWWブラウザ。
- エージェント機能
マクロ処理とも言えるだろうか,一定の操作を代行させる事ができる。例えばインターネット上にある新聞社の記事のクリッピング機能の代行や,電子メールが届いたらポケットベルを鳴らしたりする操作の代行が可能である。これらの機能の設定に際しては,エージェントビルダが用意されており,ユーザーがプログラミングする必要はない。
- レプリケーション
分散サーバーシステム用,移動端末用に,データベースのアップデート機能を強化している。差分のみ更新するようにして,最新の情報をすみやかに受け渡しできる配慮がなされている。
- ロータススクリプト3.0
ノーツに対応したグループウェアアプリケーションの開発言語。VisualBasicと互換。
- JAVAに対応(今年後半)
LAN環境とは,いわばベースとなる接続環境であり,その環境を使っていかに便利な利用環境を作っていくかという試みに対する様々な解答は総称してグループウェアと呼ばれる。このグループウェアに対するロータス社の解答が,このロータスノーツであろう。今回のバージョンでは,インターネットとの接続に興味深い特徴がある。折しも世の中はイントラネットという言葉が急浮上している。インターネットという情報インフラを企業内情報システム構築に利用する事を意味している。今回のノーツは,グループウェア環境をインターネット上に展開させる機能を持ち込んだ事になり,このイントラネットの方向性を支持するものである。
このようなグループウェアはまた,様々なアプリケーションの共通のプラットホームとしての側面も持ち,また,様々なOS等のシステム環境の違いを吸収する。このため,様々なデータを取り扱う上でのOSのような側面を持ってくる事が考えられる。グループウェアの標準を目指して,各社しのぎを削っていると想像される。
そういう昨今の流れを反映してか,品川のホテルラフォーレ東京で行われた発表会は大変な盛況で,会場に人が一杯であった。ロータス社のセレモニーも素晴らしく力の入ったもので,ノーツ開発者のレイモンド・オジーも駆けつけた。ロータス社がこの製品にかける意気込みが伝わってきた。
パーソナルユースの製品ではないとはいえ,今後間違いなく大きく発展する分野の製品なので,今後を注目したいものだと思った。
(レポート:古林)

プレスコンファレンスの様子

記念イベント会場前での展示実演の盛況

記念イベント"The Notes Day"
DOS/V POWER REPORT編集部
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