ローランド株式会社は16日、GS規格のMIDIに対応したソフトウェアシンセサイザ「Roland Virtual Sound Canvas VSC-55」体験版の配布を開始した。
同ソフトはPCM音源のサウンドカードのみでMIDIの高音質データを再現するもので、ソフトウェアによってMIDI音源をエミュレートする機能を持つ。パソコンからは通常のMIDI機器として認識されるため(MCIドライバ経由でアクセスする)、どのアプリケーションからのMIDI再生も受け付ける。動作環境はOSにWindows95、CPUはPentium60MHz以上サウンドカードは16bitステレオ。試用期間は9月30日まで。
編集部で試用してみたが、正常に動作した。メディアプレーヤーのほか、Netscape NavigatorやインターネットエクスプローラといったWWWブラウザからでももちろん再生可能だ。再生中はレベルメーターなどの表示を行うウィンドウが現れ、ここからCPU占有率などの設定も行うことができる。一見このウィンドウを開いているソフトウェアが本体部分のように見えるが、シンセサイザの処理についてはドライバ側で処理しているため、たとえこのウィンドウを終了させてもきちんとデータ再生は継続する。ただし、原理的にCPUへの負荷が高まなるため、データ再生中に他のソフトウェアを同時に処理させるのはややきつくなる。
CPU能力に余裕のある環境や、MIDI機器の接続がやや面倒なノートパソコンなどには便利だろう。なお、コントロールパネルのマルチメディア・プロパティでMIDI出力を「Roland VSC-55」に設定する必要があるので忘れないよう注意が必要。
ソフトの配布については、同社が主催している「第9回ローランド デスクトップ 力作コンテスト」のホームページ上で行われている。サイズは約2MB。
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[Reported by 石橋 文健]