NTTソフトウェアが「200ドル端末」という衝撃的なタイトルをつけたデモを行った。
といっても、いわゆるNCの類ではなく単なる2400bpsモデムと液晶のついた業務用小型端末。名前は「ミチ」。今のところ流通管理や地域密着型のオンラインショッピングで多く利用されているそうで、本体には白黒の液晶と10キーが用意されている。10キーは切り替えによって英字やカナなども入力ができる。面白いのは、新聞でも報道されたようにインターネット接続のためのPPP用のソフトもすでに開発が最終段階で、あと1週間ほどすればデモできるレベルになるという話だった。NIFTY-Serve用のパソコン通信ソフトはすでに存在し、確かに簡単にアクセスができ、「いちおうこれでインターネットメールも利用できる」とのこと。本体にはキーボードやバーコードリーダー、プリンターなどさまざまな周辺機器がつながり、ビデオテックスの受信も行える。
ただ、担当者の話を聞く限りではいろいろと複雑な事情が絡み、なかなか一般向けへの販売は難しそうだ。家庭用簡易端末と銘打っての展示だったが、今のところ全く一般市場向けの販売ルートがなく、一般への大量販売については親会社のNTTとの協議も必要なのだそうだ。「実はあまり宣伝したくない」、という事情もあって直前に展示を取りやめることも検討したが「せっかくブース使用料を払ったのでもったいないので展示した。だけどあんまり取り上げないで。」と複雑な担当者の弁であった。
('96/7/25)
[Reported by 石橋 文健]