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Mac Power 1997 December
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MACPOWER-1997-12.ISO.7z
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目玉温泉-4
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まるごと目玉温泉
Wrap
Text File
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1997-10-09
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6KB
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74 lines
□<F M,16,1,16,28 >電脳天国 目玉温泉4□<F M,,0,16,0 >
□<F M,20,1,20,28 >全メッセージ
まるごと目玉温泉化計画の巻【補遺】□<F M,16,0,16,0 >
インターネットに向けて、読みやすい文書を提示する工夫について、誌面では二つの角度から書いた。
一つは、文章の構造を意識しながら、HTMLのタグを付けることだ。それぞれのタグが本来になっていた役割を意識し、これに沿って書けば、例えば「Text Receiver」上の章名表示といった見返りを期待できる。
今回はもっぱら、ウェッブページ記述用言語としての役割に限定して話を進めたが、HTMLはクロスプラットフォームのマルチメディア対応文書フォーマットとしても利用できる。各社ばらばらできた日本語ワープロの文書形式を、HTMLにそろえて互換性を取ろうという試みもあるらしい。
こうした点からも、HTMLの基本的な考え方を、我々自身が理解しておくことは、ますます重要になるだろう(昨日今日はじめたばかりの人間がえらそうな口を利いて、まことに申し訳ないが)。
本文では言及できなかったが、「BookBuddy」と「BookBrowser」のコンビは、ウェッブページ以外のHTMLファイルに関しても、読みやすいブラウザーとして利用できる点に注目して欲しい。
手許にHTMLファイルを用意して、「BookBuddy」にドラッグ&ドロップしてみよう。付録CD—ROMからコピーした後、あなたが置き場所を変えていないなら、「BookBuddy」は「目玉温泉4(または3)」フォールダーの、「エキスパンドブック」の中にあるはずだ。
ファイルをドロップされると「BookBuddy」はまず、HTMLのタグの何種類かをエキスパンドブックのものに付け替え、残りを削除する。EUCやJISが使われていれば、シフトJISに変換する。こうして前処理されたファイルは、そのまま「BookBrowser」に引き渡され、「TextReceiver」上に文章が開かれる。
製品版のエキスパンドブックには、「エキスポート」の機能が付いている。開かれたブックの中からタグを取り除き、テキストのみを吐き出させることができる。
これを利用すれば、htmlのファイルから、すべてのタグを取り除いてテキストだけを取り出すツールとしても、目玉温泉を利用できる。
孤立した電子本環境として生まれた時期からエキスパンドブックに注目してきた者としては、この道具がオンスクリーンの文書表示に関わる大きな流れの中で、大切な結節点を形成しはじめていることに深い感慨を覚える。
私の頭の中に浮かぶのは、例えばこんな絵だ。
出発点には、テキストがある。これにHTMLのタグを付ければ、標準電子出版形式のファイルができる。ただし現状のHTMLブラウザーでは、長文は追えない。そこで、その先に構えている目玉温泉にファイルを渡し、読みやすく表示させる。さらにエキスパンドブックはすべてのタグを取り除いて、元通りのテキストに戻す役割も演じる。
こうして完結する環は、単純な一重ではない。もう一つの流れと、絡み合っている。
出発点にあるテキストを、今度はDTPソフトで加工する。するとそこから、紙の本が生成される。加工したファイルを、HTML形式で吐き出させれば、電子出版の軌道に流れ込む。ここで一つ、ウェッブページという舞台が用意される。さらに同一のファイルを「BookBuddy」に渡せば、エキスパンドブックという電子本が生成される。
DTPの活用によって、専門性の強い出版活動を成り立たせてきた□Aひつじ書房□aopenurl "http://www.hituzi.co.jp/"□aの松本功さんが、素早く見抜いたメリットだ。
読みやすい形式でインターネットに文書を提示する、二つ目の方法として、誌面ではネットエキスパンドブックを紹介した。
オーサリングができる、製品版のエキスパンドブックを持っている人なら、□Aボイジャーによる説明□aopenurl "http://www.voyager.co.jp/neb/neb.html"□aを読めばすぐに自分でも作れる。グラフィックスを、デフォルトの「参照ファイル」ではなく、「リソース」として取り込んでおかないと、送った先で絵が欠ける。この点はみんな、慣れてきてもしばしば忘れるので、耳のどこかに引っかけておいて欲しい。
ネットエキスパンドブックを利用しはじめると、読み手のハードディスクにはブックがどんどんたまりだす。サムネイルとコメントの役割が、ぐんと重くなる。自戒を含めて「忘れずに作っておこう」と書いておく。
□<F M,16,1,16,28 >超簡易電子本作成法□<F M,,0,16,0 >
以上二つには、本誌でも触れた。
ここでさらに、番外のファイルを用意して三つ目に触れようと考えたのは、この技があまりにも鮮やかすぎるからだ。きわめて簡単な操作で、書き上げたテキストを一瞬にエキスパンドブックに仕立る、トリックを紹介しよう。
エディターで書いたテキストを、実験用に用意してほしい。「ResEdit」を起動し、メニューの「File」から「Open」を選び、テキストを開く。テキストを、「ResEdit」にドラッグ&ドロップしても良い。
ここで「ResEdit」のメニューから、「File」の「Get Info For …」を選ぶ。
現れたダイアログの上から二行目には、該当ファイルの「Type」と「Creator」が表示されている。「Type」は「TEXT」で、「Creator」の欄に使用したエディターのクリエーターが入っている。このクリエーターを、「BookBrowser」が用いている「VXPL」に書き換え、クローズボックスをクリックする。「セーブするか?」と聞いてくるので、「Yes」と答える。「日付の書式が正しくないけれど、変更しないまま閉じるか?」とたずねてくるが、ここでも「Yes」を選ぶ。
「File Buddy」のようなツールがあれば、クリエーターの書き換えはもっと簡単だ。
書き換えが終わったら、実験用テキストのアイコンが、中にブックを収めた書類の形に変わっているのを確認して欲しい。この処理によって、ファイルは「BookBrowser」で作られたことにされたわけだ。
あるアプリケーションで作ったファイルをダブルクリックするとどうなるか。そう、ファイルはそのアプリケーションによって開かれる。実際に、ダブルクリックしてみよう。ファイルはもとのエディターではなく「BookBrowser」によって開かれ、「TextReceiver」に文章が表示される。
つまり、エディターで書いた文章のクリエーターを「VXPL」に書き換えてやれば、それでエキスパンドブック形式の電子本が作れることになる。製品版の開発ツールが持っている多様な機能には及びも付かないが、読み手のハードディスクに「BookBrowser」があるのなら、これでファイルは簡易電子本に化けるのだ。
この超簡易電子本を、圧縮して送ったとしよう。受け取った側が「BookBrowser」を持っていれば、狙い通り電子本形式で読んでもらえる。先方が「BookBrowser」を持っていなかった場合は、未知のクリエーターによるテキストファイルとして、白紙の書類のアイコンで表示される。その場合も、まず間違いなく手持ちのエディターで読んでもらえるだろう。
さあこれで、今回伝えたかったことは書き終えた。
どうか、青空文庫(□Ahttp://www.voyager.co.jp/aozora/□aopenurl "http://www.voyager.co.jp/aozora/"□a)を訪ねてみてほしい。
右のURLをクリックしてもらえれば、道は自ずから通ずる。ウェッブブラウザーを起動して、注釈として仕込まれたURLのページを開かせる、エキスパンドブックのにくい仕掛けが動き出す。
この動作が示すとおり、タグさえ書き込んでおけば、超簡易版でもエキスパンドブックの機能は利用できる。このファイルをエディターで開けば、どんなタグがどんな役目を果たしているかが確認できるだろう。