このドキュメントでは、Microsoft Windows NT 4.0 Workstation および Windows NT 4.0 Server の Service Pack 3 についての情報を提供します。
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目次
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1.0 はじめに
1.1 Service Pack 3 の新機能
1.2 PowerPC プラットフォームのサポート
1.3 Service Pack のダウンロードと抽出
2.0 Windows NT 4.0 日本語版 Service Pack 3 のインストール
2.1 Service Pack をインストールする前に
2.2 Service Pack のインストール
2.3 Service Pack のアンインストール
3.0 注意事項
3.1 Service Pack インストール後のシステムの修復
3.2 システムへの新しいコンポーネントの追加
3.3 CD-ROM からのシンボル ファイルのインストール
3.4 リモート アクセス サービス PPP MD5-CHAP 認証機能のサポート
3.5 Microsoft DHCP サーバー
3.6 暗号化されていないパスワードは送信されない (既定の設定)
3.7 Windows NT 4.0 とのハードウェア互換性
3.8 Microsoft IME97 用ユーザー辞書の更新
4.0 Windows NT 4.0 Service Pack 3 で修正された障害の一覧
4.1 Windows NT 4.0 日本語版 Service Pack 3 で修正された障害の一覧
4.2 Windows NT 4.0 英語版 Service Pack 3 で修正された障害の一覧
5.0 追加の修正の一覧
5.1 Windows NT がテープ ドライブを認識しない
5.2 アクティブ ファイルとレジストリをテープから復元する
5.3 LPR 印刷
5.4 オーディオ ドライバの更新
1.0 はじめに
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この Microsoft Windows NT 4.0 日本語版 Service Pack 3 は、実行中の Windows NT 上から簡単にインストールすることができ、セットアップされている元の Windows NT Workstation または Windows NT Server のファイルだけを変更します。Service Pack は、累積的にリリースされます。すなわち、システムに対する新しい修正ばかりでなく、以前にリリースされた Service Pack の修正もすべて含んでいます。
1.1 Service Pack 3 の新機能
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RPC トランスポート
この Service Pack には、新しいバージョンのリモート プロシージャ コール (RPC) ランタイム ダイナミック リンク ライブラリ (DLL) および RPC サブシステム サービス (Rpcss.exe) が含まれています。これらの変更により、製品化が予定されている Microsoft Message Queue Server (MSMQ) の機能である RPC メッセージ キューの拡張サポートが提供されます。Windows NT 4.0 の RPC クライアント/サーバー アプリケーションでメッセージ キューを使用するには、クライアント コンピュータとサーバー コンピュータの両方で Service Pack 3 が適用されている必要があります。
独自のパスワード フィルタ DLL を作成して、異なるパスワードの規則を実現することもできます。詳細については、Microsoft Knowledge Base の「Q151082 Password Change Filtering & Notification in Windows NT」を参照してください。Knowledge Base には、http://www.microsoft.com/kb/ でアクセスできます。
匿名ユーザー アクセスの制限
Windows NT の機能により、匿名 (anonymous) ログオン ユーザーは、ドメイン ユーザー名の一覧を表示させ、共有名を列挙させることができます。より高度なセキュリティを望む一部の顧客から、オプションでこの機能を制限する能力を求められました。Service Pack 3 が提供する機構により、管理者は、匿名ログオン ユーザー (NULL セッション接続とも呼ばれます) がアカウント名の一覧を表示し、共有名を列挙する能力を制限できます。
これらの新機能、およびレジストリを構成して匿名ユーザー アクセスによるドメイン ユーザー名の一覧表示と共有名の列挙を制限する方法に関する詳細については、http://www.microsoft.com/kb/ の Microsoft Knowledge Base で、記事 Q143474 を検索してください。
システム キーを使ってパスワード情報を強力に暗号化する
Service Pack 3 では、強力な暗号化技術を使って、セキュリティ アカウント マネージャ (SAM) によりレジストリに格納されているアカウント パスワード情報の保護を強化できます。Windows NT は、ユーザー アカウント パスワードの派生物を含むユーザー アカウントの情報を、アクセス制御およびあいまい化機能により保護された安全なレジストリ部分に格納します。レジストリ内のアカウント情報にアクセスできるのは、管理者グループのメンバーだけです。Windows NT は、ほかのオペレーティング システムと同様に、管理者である特権ユーザーに対してシステム内のすべてのリソースへのアクセスを許します。より高度なセキュリティを必要とするユーザーに対しては、アカウント パスワード派生情報の強力な暗号化により追加レベルのセキュリティを提供し、管理者が故意にまたは誤って、レジストリ プログラミング インターフェイスを使ってパスワード派生物にアクセスするのを防ぎます。
Service Pack 3 の強力な暗号化機能は、オプション機能です。強力な暗号化機能は、パスワード暗号化キーと呼ばれる 128 ビットの暗号化されたランダム キーを使ってパスワード データを暗号化することにより、プライベートなアカウント情報を保護します。管理者は、Windows NT に対してシステム キーを定義することによって強力な暗号化を実装することができます。これには、管理者は Syskey.exe というユーティリティを実行します。Syskey.exe を使ってシステム キーを構成する方法に関する詳細については、http://www.microsoft.com/kb/ の Microsoft Knowledge Base で、記事 Q143475 を検索してください。
Service Pack 3 の Win32 API と SDK
Service Pack 3 には、クリティカル セクションのスピン カウントに関する 2 つの Win32 API (InitializeCriticalSectionAndSpinCount() および SetCriticalSectionSpinCount()) も含めて、いくつかの新しい API が追加されています。これらの新しい API を利用するアプリケーションを開発するために、次の Microsoft Web サイトから Service Pack 3 SDK を入手することができます。
http://www.microsoft.com/msdn/sdk
1.2 PowerPC プラットフォームのサポート
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Microsoft は、PowerPC アーキテクチャに対するすべての Windows NT 関連の開発を段階的に中止しようとしています。このため、Windows NT 4.0 日本語版 Service Pack 3 には、PowerPC ファイルは含まれていません。PowerPC アーキテクチャ上で Windows NT 4.0 を使用する顧客に対しては、引き続きテクニカル サポートが提供されます。
1.3 Service Pack のダウンロードと抽出
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この Service Pack を FTP サイトまたは Web サイトからダウンロードした場合は、Service Pack を抽出し、インストールする前に、このリリース ノートをよく読んでください。
Service Pack をダウンロードすると、ハード ドライブ上に圧縮された実行可能ファイル (たとえば、nt4sp3_i.exe) が置かれます。この場合、インストール処理を開始するには、コマンド プロンプトで nt4sp3_i と入力するか、または Windows NT エクスプローラでこのファイルをダブルクリックします。インストール プログラムを起動せずに、ファイルを現在のディレクトリに抽出するには、コマンド ライン スイッチ /x を使用します (たとえば、コマンド プロンプトで nt4sp3_i /x と入力します)。
この Service Pack よりも前にプレリリース バージョンの Microsoft Internet Explorer 4.0 をインストールしている場合は、Service Pack をインストールする前に、プレリリース バージョンの Internet Explorer 4.0 をコンピュータから削除しなければなりません。Service Pack 3 のインストール完了後は、Internet Explorer を再インストールできます。製品版の Internet Explorer 4.0 では、これは必要なくなります。製品版のリリース時には、Microsoft Internet Explorer 4.0 は Microsoft Web サイトからダウンロードできるようになります。
SystemSoft 社の CardWizard for Windows NT (support for PCMCIA) または PowerProfiler for Windows NT (support for Advanced Power Management) を使用している場合は、Service Pack をインストールする前に、プレインストールされている製品を終了させなければなりません。詳細については http://www.systemsoft.com の product を参照してください。
Advanced Power Management は Windows NT 4.0 ではサポートされていません。Service Pack をインストールする前に、Advanced Power Management を削除することをお勧めします。
2.2 Service Pack のインストール
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CD-ROM から Service Pack をインストールするには:
1. Service Pack CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。
2. CD-ROM の挿入後、ブラウザで Web ページが開かれた場合は、[Windows NT
Service Pack] をクリックし、次に [Service Pack のインストール] をクリック
します。
3 ファイル Spsetup.bat を開くか、ディスクに保存するかを尋ねられたら、
[開く] をクリックし、画面の指示に従ってください。
注: この Service Pack のアンインストール機能を使用するには、最初のインス
トール時に、アンインストール ディレクトリを作成する必要があります。また、
新しいソフトウェアまたはハードウェアをインストールした後に Service Pack
を再度適用しようとしている場合は、新しいアンインストール ディレクトリを
作成してください。それには、ダイアログ ボックスが表示されたときに
[アンインストール用のディレクトリを作成する] をクリックします。詳細に
ついては、2.3 および 3.2 を参照してください。
4. CD-ROM を挿入しても Web ページが自動的に開かれない場合は、コマンド
プロンプト ウィンドウを開き、CD-ROM ドライブに移動します。
5. \i386、\NEC98、または \ALPHA ディレクトリ (使用しているシステム
の CPU の種類に依存します) に移動し、UPDATE と入力します。
6. 画面に表示される指示に従います。
注: この Service Pack のアンインストール機能を使用するには、最初の
インストール時に、アンインストール ディレクトリを作成する必要があり
ます。また、新しいソフトウェアまたはハードウェアのインストール後に
Service Pack を再度適用しようとしている場合は、新しいアンインストール
ディレクトリを作成してください。それには、ダイアログ ボックスが表示
されたときに [アンインストール用のディレクトリを作成する] をクリック
します。詳細については、2.3 および 3.2 を参照してください。
ネットワーク ドライブから Service Pack をインストールするには:
1. コマンド プロンプトでコマンドを入力して、Service Pack のファイルが置かれた
ネットワーク ドライブに接続します。
2. ネットワーク ドライブに移動します。
3. \i386、\NEC98、または \ALPHA ディレクトリ (使用しているシステム
の CPU の種類に依存します) に移動し、UPDATE と入力します。
4. 画面に表示される指示に従います。
注: 初めて Service Pack をインストールするときに、アンインストール ディレ
クトリを作成することを推奨します。また、新しいソフトウェアまたはハードウェ
アをインストールした後に Service Pack を再インストールしようとしている場合は、
新しいアンインストール ディレクトリを作成してください。それには、ダイアログ
ボックスが表示されたときに [アンインストール用のディレクトリを作成する] を
クリックします。詳細については、2.3 および 3.2 を参照してください。
2.3 Service Pack のアンインストール
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この Service Pack にはアンインストール機能が含まれており、システムを以前の起動可能な状態に復元することができます。ただし、Service Pack 3 とともにインストールされる Microsoft IME97 version 1.0A は本アンインストール機能の対象外です。Service Pack 3 のアンインストールを行っても、Microsoft IME97 version 1.0A はそのまま残り、以前の Microsoft IME97 version 1.0 には戻りません。
アンインストール機能を使用できるようにするには、Update.exe を最初に実行するときにアンインストール用のディレクトリを作成する必要があります。それには、ダイアログ ボックスが表示されたときに [アンインストール用のディレクトリを作成する] をクリックします。Windows NT ディレクトリの下にサブディレクトリが作成されますが、Windows NT がインストールされているドライブに少なくとも 90MB の空き領域が必要です。
システムを以前の起動可能な状態に復元するには、Update.exe を実行して、[以前にインストールした Service Pack をアンインストールする] オプションをオンにします。システムが再起動された後、Update.exe プログラムは、Service Pack によって更新されたファイルを以前にインストールされていたファイルで置き換え、レジストリの設定を Service Pack 3 がインストールされる前の状態に戻します。
注: Service Pack 3 を必要とするアプリケーションがインストールされている場合、または Service Pack 3 に含まれている障害修正が必要である場合にアンインストールを実行すると、それらのアプリケーションが正常に動作しなくなる可能性があります。
Service Pack をインストールした後に Windows NT システムを修復する場合には、Service Pack をインストールした後に作成したシステム修復ディスクを使用するか、ハード ディスク上に存在するシステム修復情報を使用しなければなりません。これは、Service Pack インストール時に、アップデート プログラムがシステム修復情報中の SETUP.LOG ファイルを変更するためです。Service Pack インストール前に作成したシステム修復ディスクを使用して修復を行った場合、システムが起動しなくなることがあります。
Service Pack をインストールした後に作成したシステム修復ディスクを使用してシステムの修復を行った場合、レジストリの設定は、Service Pack インストール後の設定になります。これは、システム修復ディスクには、システム修復ディスクの作成時のレジストリの内容が保存されるためです。レジストリも Service Pack インストール以前の状態に戻したい場合には、Service Pack インストール以前に作成したシステム修復ディスク中の SETUP.LOG ファイルを、Windows NT ディレクトリ中の Repair ディレクトリの中にある SETUP.LOG ファイルで置き換える必要があります。
Service Pack をインストールした後に Service Pack インストール前に作成したシステム修復ディスクを使って Windows NT システムを修復する場合、修復を完了した後に再度 Service Pack をインストールする必要があります。これは、システム修復ディスクが、元の Windows NT 4.0 のセットアップを復元し、システムを修復するためです。修復が完了した後、インストールの説明 (上記の 2.0) に従って、再度 Service Pack をインストールしてください。Windows NT のシステム修復ディスク ユーティリティの使い方の詳細については、http://www.microsoft.com/kb/ の Microsoft Knowledge Base で、記事 Q146887 を検索してください。
3.2 システムへの新しいコンポーネントの追加
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Service Pack をインストールした後に、システムに新しいソフトウェアまたはハードウェア コンポーネントを追加または変更した場合、再度 Service Pack をインストールする必要があります。これは、元の Windows NT 4.0 ディスク セットからコピーされたファイルが Service Pack ディスク セットのファイルと同じではない可能性があるからです。Service Pack のメディアから、直接新しいコンポーネント (新しいキーボードやプリンタ ドライバなど) をインストールすることはできません。新しいコンポーネントを元の製品メディアからインストールし、Service Pack を再度インストールしなければなりません。
アドレスの競合は、コンピュータ名の代わりに "BAD_ADDRESS" を表示することで示されます。[クライアントのプロパティ] ダイアログ ボックスで、アドレスに一意の ID (識別子) が指定されている場合は、クライアントがそのアドレスを辞退したことを意味します。一意の ID が指定されていない場合は、DHCP サーバーがアドレスの競合を検出したことを意味します。
Microsoft DHCP サーバーを構成して、クライアントのデフォルト ゲートウェイをその IP アドレスと同じに設定させることができます。その場合、クライアントはローカル サブネット上のすべての IP アドレスに対して Address Resolution Protocol (ARP) を使用するため、ルーターのないネットワークで役立ちます。あるスコープ内のすべてのクライアントに対してこの機能を有効にするには、レジストリに次の値を追加します。
Windows NT 4.0 日本語版 Service Pack 3 で修正された、日本語版特有の障害を以下に一覧します。これらの障害修正内容の詳細は、マイクロソフト ホームページのサポートオンラインに掲載される予定です。また、同一の情報は、マイクロソフト FAX ボックス情報サービスにも掲載される予定です。また、年間契約により購入可能な Microsoft TechNet CD-ROM (毎月 1 回発行) にも順次掲載される予定です。
マイクロソフト FAX ボックス情報サービスおよび Microsoft TechNet の利用方法については、Windows NT 製品パッケージに同梱されている Microsoft Support Guide を参照してください。