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さて，購入前には，店をまわって気になる製品を探し出して画質のチェックをしよう。価格とカタログ・スペックだけで決めるのはCRT方式と同様，避けたほうがいい。シャープ，ナナオといったメーカーの製品は今回調査した大部分の店舗で見ることができた。それ以外の製品ならメーカーのショールームに足を運ぶという手もある。

チェック・ポイントは，まず，テキスト・データなら，全体ににじみやブレがなく，シャープであるか。グラフィックスなら，色の再現性やホワイト・バランスを見比べる。液晶ディスプレイでは色の再現性はパネルに使われるカラー・フィルター，色温度（白を表示したときのわずかに残る色味）はバックライトとなる蛍光管で決まる。CRTほど自由に変更して使うことはできず，製品によって特性もずいぶん違う。パネル自体の個体差は少ないが，同じ条件で接続していても店の照明などによって見え方が変わってくるので，同じ製品を置いた別の店を数個所まわっていろいろの環境でチェックするのが理想的だ。さらに，不自然な縦横の線やゴーストが出ていないか，ドット欠け（常時点灯するドット）があまりに多くはないか，画面の4隅に色ムラが出ていないか，といった点も忘れずに確認しよう。

せっかく店に足を運んだのなら，きょう体のデザインもよく見よう。画面そのものが薄くてもスタンドが必要以上に大きければ設置スペースが余分に必要となってくるし，電源ケーブルや接続用のコネクターが出っぱってしまうタイプは，受付などに設置してクールな外観を実現したいと考えている人には不適切だ。スピーカーを内蔵したものやペン・タブレットと一体型というのもある。現状ではナナオ1社だけだが，2系統入力をサポートしたタイプもWindowsマシンとマックを併用しているようなユーザーには便利だろう。

店で貰ったカタログののスペック表からは，対応周波数や接続方式などのほかに，応答速度，輝度，視野角，色数など液晶パネルの性能は確認できる。応答速度が速いほどカーソルの追従や動画再生のストレスが少ない。輝度は200cd/m²，視野角は上下左右ともにプラス・マイナス70度というのが高性能の目安だ。色数は多いにこしたことはないが，カタログに1670万色とあっても，実際にそれだけの階調表現が実現しているかは製品を自分の目で見て確かめたほうがいい。