Back to Home
T o p
ホット・ニュース
ホット・ニュース

ホット・ニュース
ホット・ニュース

バイヤーズ・ガイド
バイヤーズ・ガイド

インターネット広場
インターネット広場

日経MACレポート
日経MACレポート

記者の目
記者の目

日経MACから
日経MACから


Nikkei MAC CD目次
Nikkei MAC CD目次

NIKKEIMAC.COM
NIKKEIMAC.COM

日経BP社 BizTech
日経BP社 BizTech

Apple,ファイル・システムなど
多くの改良を加えた「Mac OS 8.1」を発表

[Tuesday, January 6, 1998 星野 純=日経MAC]

米Apple Computer社は98年1月6日(米国時間。日本時間7日),Mac OS 8.0に改良を加え,バグ修正を施した最新版「Mac OS 8.1」を発表する。主な変更点は表のとおり。

●Mac OS 8.1の主な変更点
新機能・コンポーネント 内容
HFS Puls ファイル・システムのキャパシティーを大幅拡張。「Drive Setup」は1.4に
UDF Volume Access DVD-ROMドライブに対応するシステム機能拡張
LaserWriter 8.5.1 TCP/IP(LPR注6))に対応。デスクトップ・プリンタの機能も向上
Open Transport 1.3 マルチホーミングに対応
PC Exchange 2.2 WIndows 95のLFN,FAT32などに対応。Jaz/Zipもサポート
Mac OS Runtime for Java 2.0 米Sun Microsystems社の「JDK 1.1.3」に準拠。新たに68k版JITも付属
Apple Location Manager 2.0 機能アップして,PowerBook以外でも使えるようになった
その他の各種改良・変更
システム本体 ディスク・キャッシュの性能向上,仮想記憶を改良しアプリの起動を高速化
Finder コピーの速度向上とアピアランス周りのバグ・フィクス,改良など
浮動小数点計算 「MathLib 1.3」の改良で高速化
AV機能 サウンド関連ドライバー,「Apple Video Player 1.7.1」の改良
付属アプリケーション 「Microsoft Internet Explorer」が標準Webブラウザーに

キャパシティーを飛躍的に拡張
ただし旧システムでは利用できず

変更点の中でも最も大きい改良は,ファイル・システムを32ビット化したこと。新仕様はこれまでの16ビット版「HFS(Hierarchical File System)」に対して,「HFS Extended Format(HFS Plus)」と呼ばれる。

ここでいう16ビット,32ビットとは,ボリューム当たりで管理できるアロケーション・ブロック注1)数のことで,従来のHFSでは6万5536個だったのが,HFS Plusでは40億個以上に拡張される。また,HFS Plus環境では,最大ボリューム・サイズが2TB,最大ファイル・サイズが理論上HFSの85億倍の93TBに拡張された。

多くのユーザーに恩恵となるのが,アロケーション・ブロックを小さく抑えられることだ。HFSでは,ブロックを最大6万5536個までしか持てなかったので,ボリューム・サイズがGBクラス以上になると,実際には数KBしかないファイルでもボリューム上では数10KB〜100KBを消費してしまう。

HFS Plusでは,42億9000万個のブロックが持てるので,大ボリュームでも最小ファイル・サイズは約4KB以内に収まる。

monitor ●図1● HFS Plusで初期化したボリュームは,全体容量こそ変わらないが,最小ファイル・サイズを小さくできるため,利用可能な容量が増える。図は「Jaz」ディスク(1GB)にHFSとHFS PlusでMac OS 8.1をインストールした状態

ただしHFS Plusを利用するには,8.1上でボリュームの初期化を行わなければならない(図2)。また現状では68kマックでの利用に制限がある注2)

(4019bytes)

●図2● 「HFS Plus」を利用するには,ボリュームの初期化が必要となる。HFS Plusは従来のHFSボリュームとの併用も可能だ

注意が必要なのは,8.0以前の旧システムとの互換性。8.1ではHFSとHFS Plusを併用できるが,8.0以前ではHFS Plusのボリュームをマウントしても中身が見えない(図3)。

(2147bytes)

●図3● Mac OS 8以前のシステムではHFS Plusのボリュームの内容は見えない。代わりに具体的なボリュームの利用法が書かれたテキスト・ファイルが現れる

各種システム・コンポーネントも新版に

各種システム・コンポーネントもバージョンアップしている。TCP/IPに対応した汎用PostScriptプリンター・ドライバー「LaserWriter 8.5.1」,マルチホーミングに対応したネットワーク・ソフトウエア「Open Transport 1.3」(関連記事「Open Transportが1.3に」を参照),LFN注3)やFAT32注4)に対応,「Jaz」「Zip」もサポートした「PC Exchange 2.2」,そのほか,Java実行環境「Mac OS Runtime for Java 2.0」,PowerBook用の環境設定管理ツール「Location Manager 2.0」などが主だったところ。なお,8.1には「QuickTime 3.0」は含まれない。

新しいものとしては,DVD-ROMドライブの標準装備に備えて「UDF Volume Access」注5)が追加されている。

8.0同様の迅速な日本語版出荷に期待

Mac OS 8.1は,英語版が98年1〜2月の間にリリースされる予定。市販パッケージのほか,Mac OS 8専用アップデーター(12M〜15MB)をWebサイトなどで無償配付する。

日本語版のリリース時期は現在未定だが,8.0の時に60日以内の迅速なローカライズが行われたことを考えると,早ければ2月中にも登場しそうだ。


注1)ボリューム上で,ファイル・システムが管理できる最小ファイル単位。16ビットで管理しているなら,ボリューム容量を16ビットで割った数がアロケーション・ブロック・サイズ。

注2)68kマックでは,HFS Plusのボリュームを起動ディスク用,仮想メモリー用として使えない。

注3)Long File Name。ファイル名にパスと合わせて255文字まで割り当てられるWindows 95の機能。

注4)Windows 95 R2から実装された32ビットのファイル・システム。2TBまでのボリュームを扱える。

注5)UDFはUniversal Disk Formatの略。元は光ディスクの業界団体が策定した規格。

注6)Line Printing Protocol。UNIXで一般的なプリンター用プロトコル。

■

日経BP社 Copyright 1993-1998 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.
This page was last updated on Wed, Apr 15, 1998 at 10:10:22 PM.
Site Developed by Rei Watanabe