Back to Home
T o p
ホット・ニュース
ホット・ニュース

ホット・ニュース
ホット・ニュース

バイヤーズ・ガイド
バイヤーズ・ガイド

日経MACレポート
日経MACレポート

記者の目
記者の目

日経MACから
日経MACから


Nikkei MAC CD目次
Nikkei MAC CD目次

NIKKEIMAC.COM
NIKKEIMAC.COM

日経BP社 BizTech
日経BP社 BizTech

Mac OS 8.5はPPCのみサポート
高速な動作と新検索機能が目玉

[Thursday, October 15, 1998 松野 浩之=日経MAC]

98年10月17日に全世界で同時に出荷される「Mac OS 8.5」。Mac OS 8.5のアップグレードのキーワードは,「高速で安定した動作」と「細かな使い勝手の向上」。PowerPCネイティブ化などにより,ネットワークやAppleScriptの動作が高速化,コピーや画面描画を含めたシステム全体の速度も向上した。その半面,8.5はPowerPC搭載マックのみで動作し,68kマシンでは動かない。

日本語版の新機能や性能の詳細は,「日経MAC11月号」の特集で詳しく解説しているので,参照いただきたい(価格情報は「NIKKEIMAC.COM」のhttp://www.nikkeimac.com/hotnews/9810/macos85.htsで紹介しています。併せてご覧ください)。

8.5に搭載される最大の目玉機能は,ファイルの中身やインターネットも検索可能な新検索システム「Sherlock」だ。日本語の文章を解析する「形態素分析」機能により自然語での検索も可能になったほか,あらかじめハード・ディスク全ファイルの内容を含めた索引を作成しておくことでファイル内容まで踏み込んだ高速検索が可能だ。さらにインターネット検索サイトのデータベースを利用してインターネット上のデータをローカルと同じように検索する機能も実現した。

Mac OSのマクロ言語「AppleScript」も大きく機能を強化した。完全なPowerPCネイティブ化により高速化しただけではなく,スクリプト制御できる対象を大幅に増加した。さらにフォルダにスクリプトを設定できる「フォルダアクション」機能も搭載した。ただし日本語によるプログラミングには対応しなくなった。

このほか99年第3四半期に登場が予定される次世代OS「Mac OS X(テン)」をにらんで,テキストの扱いや画面描画など,OSの根幹に関わる機能も改良した。Mac OS XのMac OS互換APIである「Carbon API」は,Mac OS 8.5をベースに設計されるからだ。

99年第1四半期には8.5のマイナー・アップデート・バージョン「Mac OS 8.6」(コードネーム「Sonata」)の出荷が予定される。この8.6では,今回は搭載が見送られたインタフェースの外観を大幅に変更する新たな「テーマ」が付属することが予測される。8.5に標準装備される「テーマ」は「デスクトップピクチャ」と強調色の組み合わせのみである。フォルダのデザインなどは1種類しかない。

以下の表に8.5で追加された機能の一覧をまとめた。

●処理速度や安定性の向上,システム関連

機能 解説
Open Transport データ転送速度を向上させ,Fast Ethernet(100BASE-T)でも高速に
QuickDraw 画面の描画速度が高速に
ファイルのコピー 高速化。特に大容量ファイルに効果が大きい
ゴミ箱を空にする動作も短時間で終了する
アプリの起動 以前よりも短時間で起動する
ポップアップウィンドウ タブ状態からのポップアップが素早く
Systemファイル Systemファイルへの書き込みを削減,初期設定ファイルに保存
コントロールパネル アプリケーション化してシステム・ヒープの消費を減らす
Disk First Aid 記憶領域の重複など,検査する項目が増えた
エラー後の再起動時に,自動でハード・ディスクを検査する
システムフォルダ 新しいフォルダがいくつか追加された
フォルダのアイコンへドラッグして自動配置する書類が増えた
ディスクキャッシュ 初期状態に戻す機能が追加された
Appleシステムプロフィール 以前よりも詳しい情報を表示する
CD/DVDドライバー CD-ROMドライブ用とDVDドライブ用のドライバーが合体

●見栄えや遊びの機能を追加

機能 解説
アピアランス 異なるデザインに入れ替えられる(他のデザインは付加せず)
スクロール・バー 2つのスクロール・アローを隣り合わせで表示
表示中の面積に比例して長さが変わるスクロール・ボックス
文字表示 一定サイズ以上の文字をアンチエイリアスで描く
サウンド 基本的な操作のときに音を再生する
アイコン 使える色数がフルカラーにまで拡張。標準アイコンが美しく
タイトル・バー テキストが長いと,字間を詰めて表示する

●いろいろな機能の拡張

機能 解説
Finder リスト表示で項目順の入れ替えや幅の変更を可能に
エイリアスのアイコンに小さなマークが加わった
ウインドウのタイトル・バーの小アイコンでフォルダを移動
情報ウインドウが共有設定と合体し,ファイル名の変更も可能
ファイル検索 索引を作って,検索時に関連性の高い順に並べる
選んだファイルと似た内容のファイルを,続けて検索できる
インターネットの検索サイトを経由しての検索
検索条件を保存して,後で再利用できる
アプリケーションメニュー メニュー・バーにアプリケーション名を表示(非表示も可)
アプリケーションメニューを切り離してウインドウにできる
commandキー+tabキーで,起動アプリを順番に切り替える
ナビゲーションサービス 表示中でも,他のアプリケーションに切り替えられる
ファイル一覧表示に更新日も加わり,並び順を変えられる
3つのポップアップ形式のボタンで,フォルダ移動が容易に
フォルダやファイルをユーザーが登録し,素早く呼び出せる
最近使ったファイルを素早く開ける
コントロールバー 再起動なしで,モジュールを追加できる
特殊な操作をするとき,マウス・カーソル表示で機能を表す
クリッピング機能 クリッピング・ファイル名が,元の書類名から付けられる
クリッピングの内容がURLやメール・アドレスだと専用書類に
File Exchange 「PC Exchange」と「Mac OS Easy Open」が合体
Windows用などの多くのファイル拡張子が最初から登録済み
AppleScript PowerPCネイティブ化で実行速度が大幅に向上
制御できるコントロールパネルが少し増えた
日本語スクリプト作成がなくなり,操作記録も新機能に未対応
Appleガイド HTML形式の書類をヘルプとして使える
フォルダアクション AppleScriptのスクリプトをフォルダに埋め込み可能に
要約文の作成 テキスト・ファイルの要約文を自動生成してクリップボードへ
QuickTime バージョン3.0が標準装備に
ColorSync バージョン2.5が標準装備に

●ネットワーク関連

機能 解説
Open Transport AppleScriptから制御可能に
Windows NTとの接続性を向上
ARA標準装備で,コンパネの「PPP」が「リモートアクセス」に
インターネット 「インターネット設定」に代わる独自開発のコントロールパネル
ほかのコントロールパネルと同じユーザー・インタフェースに
ネットワークブラウザ ネットワークの接続状況を表示し,公開フォルダもマウント可能
日付&時刻 タイム・サーバーを用いて,マシンの時刻合わせを手助け

●日本語機能と多国語対応

機能 解説
WorldScript 一部をSystemファイルに内蔵
英語システムでもフォント追加で日本語を表示
shiftキーを押しながら起動しても日本語が文字化けせず
日本語フォント OsakaのBoldとNarrowが追加に
ビットマップ・フォントが追加されて読みやすく表示できる
標準添付の書体では,丸漢ファイルを使わない形式に
フォントキャッシュ なくなった
スクリプト連動 スクリプト(入力モード)切り替えと書体との連動をオフできる

■

日経BP社 Copyright 1993-1998 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.
This page was last updated on Wed, Oct 21, 1998 at 21:15:27.
Site Developed by Rei Watanabe