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パワーユーザー向けの目玉はHFS Plus ハード・ディスクの利用効率が上がる [Friday, February 13, 1998] Mac OS 8.1Jには,アップル社が一般ユーザーに勧めない新機能もある。一般ユーザー向けとしては使い勝手がこなれておらず,現時点ではサポートしきれないため,ある程度マックに詳しいパワー・ユーザーだけに使ってほしいとのことだ。その代表が,新しいディスク・フォーマットの「HFS Plus」だ。Finder上では「Mac OS 拡張」と表示される。 HFS Plusのメリットはハード・ディスク利用効率の向上。Apple自身のデモでは,元は29.3MB消費していたフォルダの容量を,HFS Plusの利用で17.3MBまで減らして見せた。つまり,同じ容量のハード・ディスクにより多くのファイルが入るわけだ。魔法のカラクリはディスクの最大ブロック・サイズにある。 これまで使われていたHFSは,記憶領域を16ビットで管理しており,最大で6万5535個のブロックしか扱えない。1ボリュームのサイズが大きいと,最小ブロック・サイズも数十KBになる。この結果,例えば4GBのボリュームでは,たった1バイト(文字が1つだけ)のファイルでも64KBの記憶領域を使用してしまう。ところがHFS Plusでは,記憶領域を32ビットで管理するため,最大で約42億9500万個のブロックが扱える。すると4GBのボリュームでは,最小ファイルの記憶容量は4KBにまで減る注5)。 同時に,1ボリューム上のファイル数は約43億個にまでに拡張された。他にもHFS Plusのメリットはあるが,File Managerが未対応のため,まだ使えない。最大のファイル容量(1.84×10の19乗バイト)も増えたこと,最大255文字のUnicodeベースのファイル名などだ。次のMac OSでサポートだろう。 HFS Plusを利用するには,Mac OS 8.1上で初期化しなければならない。Finder上のメニューから(図)と,新しい「ドライブ設定」を用いる方法の2つがある注6)。HFS Plusへの移行には初期化が必要なため,ボリューム内のデータを,いったん待避しなければならない。なお,32MB未満のボリュームは,HFS Plusとして初期化できない。
●図
HFS Plusとして初期化するには,ボリュームのアイコンを選んだ状態で, 使用中のボリュームがHFSかHFS Plusかは,Finder上でボリューム情報を表示させて調べる。新たに「フォーマット」の項目が追加され,「Mac OS 拡張」となっていればHFS Plusだ(図)。
●図
約2万5000個のファイルを納めたHFSボリュームをHFS Plusで初期化してみた。 新しいフォーマットなので,Mac OS 8以前でマウントすると,中のファイルにアクセスできない。ボリュームのアイコンが現れて,使用方法を説明するテキスト書類が中に入っている(図)。新しいディスク・フォーマットによるユーザーの混乱を最小限にしようと,導入した仕組みだ。このあたりの心遣いは,さすがにアップルと感じさせる部分である。
●図
HFS Plusとして初期化したディスクをMac OS 8以前でマウントすると, 残念なことだが,68040マシンには制限があり,HFS Plusのボリュームを起動用や仮想メモリ用に使えない。PowerPC搭載マシンと68Kマシンの差が出始めていると感じた。 注5)単純に計算すると,4GB÷約42億9500万個=1Bだが,ハード・ディスクのセクター・サイズが通常512Bであること,細かすぎるとフラグメンテーション(断片化)が起こりやすくなること,仮想記憶のページ・サイズが4KBであるといった理由で,アロケーション・サイズは4KBに決められたようだ。 注6)Finder上のメニューから実行する場合は,新しいDrive Setupを用いて,そのドライブのドライバーを先に更新すること。サードパーティ製のドライバーなら,HFS Plus対応版で先に更新すべき。
記事目次/前のページ/次のページ この記事は、日経MAC98年3月号(98年2月18日発行)掲載記事の抄録です。 |
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