禁断の「ストラップLibretto」作り
[Thursday, June 4, 1998]
Libretto 60にハンド・ストラップを付けてみた。落下の危険性が減って,ますますモバイルっぽくなってきた。ただし純正ではないので,保証の限りではない。
(大西 順雄=日経BPクリエーティブ)
●開発(!?)のきっかけ
ノート・パソコンに対する,というか,ノート・パソコンの設計者に対して不満が1つある。それは,ほとんどのノート・パソコンには,持ち運びしたり支えたりするための「ハンドル」がないことだ。
よく,雑誌にノート・パソコンを片方の手で持ち歩いている写真が掲載される。この持ち方は,落下の危険が大きい。ノート・パソコンはまだまだ重いのだ。Libretto 100以外のLibretto(20,30,50,60,70)は,片手でむんずとつかめるのでいい大きさだと思うのだが,850gはそれなりに重い。持ち運びにはやはり不安があった。
●ワープロ専用機には付いているのに なぜノート・パソコンにはない?
その昔(というか今もそうかもしれないが),ワープロ専用機にはハンドルがあった。私が初めて買った富士通のOASYS Lite 9には,実に貧弱だが背面に折りたためるハンドルがあった。会社でしばらく使っていた東芝のRUPOには,立派なハンドルが付いていた。これを持って,関西に新幹線出張に行ったものだ。
Librettoも膝の上で入力する場合,手元に手のひらを乗せられるパーム・レストのスペースがないため,それほど安定しない。しかし,ハンドルがほしいというほどの重さではない。ということで,IOアダプターやポート・リプリケーターを取り付けるネジ穴を何とか使って,コンパクト・カメラに付いているようなハンド・ストラップを取り付けられないかと,購入以来考えていた。
ハンド・ストラップ付きの専用バッグなどもいろいろ見て歩いたが,どうもかさばるばかりで気に入らない。実際に使う時には,ハンド・ストラップとLibretto本体が別々になったり,マジックテープを裏に貼らなければならなかったりで,そのうち粘着材が本体にへばりついてしまいそうで,やりたくなかった(適当なバッグがあるという方はご連絡ください。追加訂正しま〜す)。
●東急ハンズのネジ売り場で素材を購入
そこで最終的に,ハンド・ストラップを直接このネジ穴に取り付ける方法を考えた。本体になるべく傷を付けず,必要に応じて簡単に取り外しができ,しかも外観もそれほどおかしくないもの,ということで,東急ハンズのネジ売り場で「段付きローレットボルト」(写真右)というのと,U字型の「カップ」(写真左)という部品を買ってきた。
ローレットボルトは,M3×6mm(4-042-00B36,4個入り160円),カップは3mm(LC-22,6個入り100円)。あとは自宅の机の引き出しに入っていた適当なハンド・ストラップを使った。購入しても数百円のものだろう。
ストラップの途中に輪状部品を1つ加えることで,手首に安定させる。写真のように左手の親指で液晶の左側を押さえて安定して持つことができる。入力時や移動時に安心して支えることができた(Libretto 100だとこの位置に指を置きにくいので,歩きながら画面を見るときもやや不安定だと思う)。
ちなみに850gのLibrettoを直接ぶらさげても,ほとんど不安は感じない。もちろん,そうした使用を想定したネジ穴ではないので,ネジ穴や本体の落下による破損に関しては自己責任ということになるのだろう。使って数週間が経つが,心配した本体への傷もなく,気に入っている。IOアダプターを取り付けたい場合,ローレットボルトは手で外せるので,簡単だ。
改めて言うが,さっさっさと情報を見て処理するPDAにはハンドルはなくてもいい(要はメモ帳感覚なんだから)が,電子メールをやり取りするとかWebブラウズもできるといった機能を持ったPDAやサブノート・パソコンには,こうしたハンドルのオプションをぜひ設けてほしい。少し長い時間,手にすることが中心になるわけだから(本当は,携帯電話やPHS用に売りだされているかわいいハンド・ストラップを付けたかったのだが・・)。
ちなみにカバンに入れて持ち歩く時には,このまま巾着袋に入れている。これで傷も付かないし,重さもほとんど加わらない。「小さいだけに厚さが意外に気になる」とよく評されるLibrettoにさらに厚みを加えたくないためだ。どうせ,カバンに入れるのだし,液晶も小さいから,分厚いクッション材はなくてもいい,というのが持論だ。
●写真1 Libretto 60のIOアダプターを取り付ける穴に取り付けたハンド・ストラップ
●写真2 Librettoの特徴である「片手でつかめる」持ち運び姿勢も,ハンド・ストラップで安定した
●写真3 購入した部品。右が「段付きローレットボルト」,左が「カップ」と呼んでいる部品
●写真4 電車の車内などで立ったまま画面を見る時の持ち姿勢。ハンド・ストラップのおかげで,片手でも安心して持っていられる
●写真5 絶対にこういう持ち方はしないが,仮にぶら下げてもネジ部がガタつくといったこともない。本体内部のシャシーに直接固定できるのだから,当たり前か
●写真6 Librettoがちょうど入る大きさの袋を探し回った結果がこれ。キャラクターで有名な某社の巾着袋である
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