■ 貧乏人のためのCG講座 256色CG編

下絵の作成

 まずは下絵を作成しましょう。もちろん、マウスで直接描いてもいいのですが、これはなかなか難しいものです。出来る人はよほど絵心があるか、超絶的にマウスの使い方がうまい人でしょう(笑)。普通は紙に描く方が簡単だと思います。問題は絵をどうやってパソコンに取りこむかですが、スキャナのある人はスキャナで、ない人は俗に「ラップスキャン」と呼ばれる方法で取り込みましょう。

 まず、台所にあるラップやセル画のセルのような透明なものに絵をトレースします。これをモニタに貼り付けて、下絵の線をマウスでなぞって行くのです。なんとも原始的な方法ではありますが(^^;。でも、マウスで直接描くよりははるかに楽なはずです。

 これ、うまくやるにはいくつかコツがあるんだよね。1つは、「頭の位置を絶対に動かさないこと」。ラップとモニタの蛍光面との距離は意外とあるから、作業中に頭の位置がずれると繋がるはずの線が繋がらなくなったりするのね。長時間同じ姿勢でいるのはツラいけど、ここはじっとガマンの子でいるべし。

 2つめは、矛盾するみたいだけど「そこそこいいかげんにやること」。ラップの絵を完璧に写そうとすると、作業はこの段階から先に進まなくなっちゃう。マウスで描きにくい線を描くのが目的なんだから、「当たり」をつける程度のつもりで気楽にね。「直線ツール」や「連続直線ツール」を使って、短い直線で大まかな形を写し取るようにすると作業がだいぶ楽になるハズ。

 3つめは下絵を取り込むときに、ラップに描いたのと似た色は使わないようにすること。大体の人はラップに下絵を写した時、黒いマジックを使っていると思うけど、例えばここで、暗い色を使ってモニタに絵を写そうとすると、画面上の線とラップ上の線とが重なり合ってすごく見にくいのね。こういうとき、「ペン」の色に明るめの色を選べば、画面上の線が見やすくなるよ。


 こんな風にして下絵を取り込んだのがFig.1です。結構歪んでいるし、いいかげんなものですが、とりあえずはこの程度で十分です。そうそう、線の色が2種類あるのは、入り組んだ場所で線を見失わないようにするためです。これからこの下絵を元に線画を修正していきます。

Fig.1 ラップスキャン終了直後の画像

Fig.1 ラップスキャン終了直後の画像

 また、スキャナで線の取りこみを行う場合は次のようにします。まずは、紙に普通に原画を描きます。この原画を描く画材は何でも構いませんが、できれば鉛筆よりは、ペンのようにしっかり描けるものの方が後々楽でしょう。取りこみモードはいわゆる「グレースケール」にしています。これは「白黒2値」で取りこむと、細い線や薄い線が再現されないことが多いためです。これだと後の線画の修正で苦労することになります。また、取りこみの解像度はそれほど高くなくても大丈夫です。むしろ高くしすぎると画像のサイズが巨大になってしまって何かと面倒です。

 もちろん、この状態だとD-Pixedではこれ以上の作業ができなくなってしまうので、取り込んだ画像を白黒2値に減色します。減色の過程は画面で確認できますので、うまくやれば細くて薄い線も途切れることなくきちんと再現することができます。私はこの作業にはフリーのフォトレタッチソフト「Dibas32」を用いています。ただ、どっちにしても取り込んだ線をそのまま使うわけではないので、主要なラインが再現できていればOKです。

 スキャナでの取り込みに成功したら、この後の作業で便利なようにラインの色を変更しておきましょう。白黒2色に減色した後の絵をD-Pixedで開いた状態では、パレットの0番が白、1番が黒になっていると思います(もしかしたら逆かも(^^;)。パレットウィンドウ上で、この1番の部分をダブルクリックすると、色を編集するメニューが出てきます。ここで1番のパレットの色を黒以外に変えてしまいます。後の作業のことを考えると、黒にあまり近くない色のほうがいいでしょう。



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