第2章 スキャニングの概要

2.4 ファイルフォーマットと圧縮

2.4.1 ファイルフォーマット
ソフトウェアの種類における互換と生成過程のデータ変換により、ファイルに保存される情報の種類は決まります。スキャンされた画像の保存には、いくつか重要な要件があります。画像処理にどのプログラムを使用するのか。使えるディスクス容量はどのくらいか。生成過程と最終的な出力メディアの間で他の方法でファイルを交換するか。

それぞれの特性について、次のテーブルを参照してください。
ファイル
フォーマット
拡張子 推奨する
出力メディア
特徴
TIFF .tif 印刷
  • 効率的なファイルサイズ

  • 単チャンネルの色分解が可能 
EPS .eps, .epsf 印刷
  • 単一色情報のセーブが可能 
  • クリッピングパスのセーブが可能 
  • 1から5までのファイルに色分解が可能 
PCX .pcx マルチメディア、
プレゼンテーション、
ビデオ
       多くのソフトウェアによって使用される
PICT .pict,pct マルチメディア、
プレゼンテーション、
ビデオ
  • ファイルサイズがコンパクト

  • ラスターデータ、ベクターデータのいずれも含めることが可能 
BMP .bmp マルチメディア、
プレゼンテーション、
ビデオ
  • 多くのソフトウェアによって使用される 
Targa .tga マルチメディア、
プレゼンテーション、
ビデオ
  • アルファチャンネルのセーブが可能 
JPEG .jpg マルチメディア、
プレゼンテーション、
ビデオ
  • アルファチャンネルのセーブが可能

  • 最適な圧縮比(40:1) 
2.4.2 圧縮
ファイル圧縮方式は「ロッシー(lossy )」と「ロスレス(lossless)」という2つの一般的なカテゴリーに分類されます 。 ロスレス(lossless)圧縮方式は、情報の消失を起こさずにファイルにデータを詰め込みます。ですから、画像の細部、色または出力品質に損失がありません。
ロスレス(lossless)の圧縮方式には、ディスクとファイル圧縮ユーティリティ(例えばDiskDoubler、PKZIP、ARJあるいは LHARC)、他のTIFFフォーマットのタイプと、LZW(Lempel-Ziv-Welch) があります。この場合の圧縮率はイメージの内容によって大きく変わります。

もし、ロスレス方式の圧縮比が十分でないならば、ロッシー圧縮を考慮しなければなりません。最も知られたロッシー圧縮方式はJPEGです。JPEGの圧縮比率は、ソフトウェアによりユーザが選択することができ、その選択の幅はおよそ2:1から40:1です。