アスキー,プロバイダー事業から撤退 会員は松下電器の「Panasonic Hi-Ho」へ
[Thursday, October 30, 1997 平沢 真一=日経MAC]
アスキーはインターネットの接続サービス「アスキー・インターネット」(会員数約5万5000人)を98年1月24日に,「アスキー・インターネットフリーウエイ」(会員数約26万人)を97年12月24日にそれぞれ停止する。プロバイダー事業の付加価値が下がり,事業としての魅力がなくなったためとしている。今後のインターネット事業は,ネット・ショッピングの「アスキー・ラピッド・コマース・サービス」やニュース配信サービスの「アスキー24」など,コンテンツ事業の方向へ絞り込む。
現会員へのサービスは今後,次のようになる。まず,利用料金が完全従量制の「アスキー・インターネット」の会員に対しては,サービス停止日の1月24日まで利用料金が発生する。この日でインターネットの接続サービスを停止するが,電子メールだけは無料で転送サービスを行う。97年10月30日現在,転送サービスをいつまで続けるかは決まっていない。
「アスキー・インターネットフリーウエイ」の会員は利用料金が無料なので,電子メールについてのみ対策を講じる。月額200円の電子メール利用料は97年11月分までしか徴収せず,12月は無料。また,12月24日までに転送先のメールアドレスを申し込んでおけば,98年3月31日まで電子メールの転送サービスを無料で受けられる。
アスキーでは,今後の会員の受け入れ先として松下電器産業のインターネット・サービス「Panasonic Hi-Ho」を案内する。だがHi-Hoへの移行に関する具体的な条件などは未定。アスキーは「会員がスムーズに移行できるように何らかの優遇策を協議している」と話すが,10月30日現在では松下電器はこの件について何もアナウンスしていない。
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