Back to Home
T o p
ホット・ニュース
ホット・ニュース

ホット・ニュース
ホット・ニュース

バイヤーズ・ガイド
バイヤーズ・ガイド

日経MACレポート
日経MACレポート

記者の目
記者の目

日経MACから
日経MACから


Nikkei MAC CD目次
Nikkei MAC CD目次

NIKKEIMAC.COM
NIKKEIMAC.COM

日経BP社 BizTech
日経BP社 BizTech

Appleのいない展示会場
マックもいよいよOpenGL時代に突入

[Monday, July 27, 1998 シリコンバレー支局,改井 満=日経MAC]

98年7月21日SIGGRAPH 98併設の展示会が始まった。展示会全体を見渡すと,米Microsoft社の「Chromeffects」注1)やSun Microsystems社の「Java 3D」などのインターネット関連の3D技術展示に注目が集まった。ハードウエア関連では米Intergraph Computer Systems社のWindows NT用超高速3Dグラフィックス・カード技術「Wildcat」に大きな関心が寄せられた。

半面,マックのユーザーにとって,SIGGRAPH 98展示会は例年になく寂しいものになった。Apple Computer社,米Macromedia社,Radius社などが出展を見合わせたからだ。特にAppleにとってはQuickTime 3(QT3)をアピールできる機会だっただけに惜しまれる。会場にもマックの姿は少ない。

マック用3Dソフトが続々OpenGL対応に

そんな中,マック関連の展示でトレンドとなったのがOpenGL。マックの3Dソフトが続々と対応しつつあることが浮き彫りになった。

OpenGLはWindowsの世界で広く普及したテクスチャー・マッピングに強い3Dデータの描画システムである。すでにOpenGL対応を終えている米Hash社(http://www.hash.com/)の「Animation Master 98(6.0)」,米Strata社(http://www.strata3d.com/)の「Strata StudioPro 2.5」がデモを行っていたのはもちろん,米NewTek社(http://www.newtek.com/)は98年5月に出荷した「LightWave 3D 5.6」をOpenGLに対応にするとSIGGRAPH会場で発表した。

●Strata社のブース。展示の中心はWindows NT版など非マック製品。だが2.5のOpenGL対応版がちゃんとデモされていた。レンダリング・メニューにOpenGLの描画方式がプルダウンされるインタフェースを持つ。“本家”QuickDraw 3Dのメニューは隠されていたほど。

また,米autodessys社(http://www.formz.com/)は「form・Z」の次期バージョン3.0のα版を初公開,同バージョンでOpenGLに対応することを明らかにした。米Questar Productions社(http://www.questarproductions.com/)の風景・地形ソフト「World Construction Set 3」も会場でOpenGL対応を発表,実際にデモをしてみせた。

●フォト・リアリスティックな景観シミュレーションがウリの「World Construction Set 3」。マック版は出荷が始まったばかり。こちらのインタフェースは描画オプションでOpenGLをチェックするだけ。担当者によると,ごく一部のOpenGL APIしか利用していないという。

米Conix社の技術を採用

OpenGL対応とは,OpenGLで定めれている命令セット(API)を,すべてのアプリケーションから使えるようにMac OSを拡張するにほかならない。もちろん新たにOpenGLのソフトウエア・レンダリング・エンジンも必要だし,OpenGLアクセラレーション機能を持つグラフィックス・カードへが組み込まれた場合,それを使えるようにしておかなくてはならない。3Dソフト・メーカーが個別に対応するのは,いかにも効率が悪いし,互換性に問題が生じる可能性もある。

今回,展示会場で各社の担当者に聞くと,これらの3Dソフトは,すべて米Conix Enterprises社(http:/www.conix3d.com/)の技術「OpenGL for MacOS」を採用していることが判明した。

Conix社自身はSIGGRAPHに出展していなかったが,同社のWebページによると,OpenGL for MacOSはConix社製のOpenGLソフトウエア・レンダラー注2)と,Mac OSの備えるRAVE(Rendering Acceleration Virtual Engine)を介して3Dグラフィックス・カードにアクセスできるアーキテクチャーになっている。つまりカードがOpenGLアクセラレーション機能を持ち,かつカード・ドライバーがRAVEに対応していればConix社のOpenGLから使える仕組みだ。

マック用OpenGLグラフィックス・カードはこれからに注目

実際に使えるカードはあるのだろうか? この点,会場の担当者でも首をかしげることが多かったのだが,調べてみるとあった。

Conix社はWebサイトで米Newer Technology社(http://www.newertech.com/)の「RenderPIX 500」「同502」,カナダATI Technologies社(http://www.atitech.ca/)の「Nexus GA」 「Xclaim VR 」,米MacTell社(http://www.mactell.com/)の「Vision3D Pro II Lite」を対応機種に挙げている。実際,SIGGRAPH会場では,autodessys社が「Vision3D Pro II」を組み込んだPower Mac上でform・Z 3.0の試作版を動作させていた。

trata社というマック3Dソフトの“大御所”がConixのOpenGLを採用したことで,ソフト各社がこれに追随したのが明らかになった今回のSIGGRAPH。これまで対応ソフトが少なくてマック用OpenGLアクセラレーター・カード製品化に二の足を踏んでいたグラフィックス・カード・メーカーの今後が注目される。


注1)Chromeffects(クローム・エフェクツ):インターネットでマルチメディア・データを配信し,Windows環境で描画,再生するまでを規定する新しい枠組み。具体的にはマルチメディア・データをXMLタグを使ってHTMLファイルに埋め込んで配信する。受信側は,データをWindows標準の描画環境「Diret X」で再生する。

注2)ただOpenGL for MacOSにはいくつかバグが残っている模様で,LightWave 3Dの開発元であるNewTek社は「30日以内に当社のWebサイトで修正版の機能拡張ファイルを提供する」としていた。

■

日経BP社 Copyright 1993-1998 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.
This page was last updated on Tue, Aug 25, 1998 at 8:29:06 PM.
Site Developed by Rei Watanabe