上の総合比較グラフを見ると、冷却性能と静音性はトレードオフの関係にあることがよく分かる。ダントツに冷却性能がよかったP4 Spark 7の最高速回転動作時は、ほかを寄せ付けないくらいに動作音レベルも圧倒的に高く、逆にもっとも静かなファンレスCPUクーラーNCU-1000は、20分間の高負荷ベンチマーク状況下という動作保証外の使い方をしていることもあって、もっとも高い温度となった。CPU標準添付のリテールファンより冷却能力が低かったものは、単純に比較できないNCU-1000のほかには、最低速回転設定にした鎌風のみであり、ほぼすべての製品でリテールファンより冷却能力が高いことが分かった。
動作音の比較という点では、回転数が2,000rpm台のものはさほど耳ざわりに聞こえないが、3,000rpmを超えるとだいぶ気になるようになり、さすがに6,000rpm近いP4 Spark7の最高速回転設定では、7~8m離れていても、通りすがりの人が何事かと振り向くような高周波音が聞こえてきた。また、騒音計で測定した動作音量を数値で見るのと、実際に聞いてみたときの音の感覚は必ずしも一致していない上、人によって聞こえ方、気になる音質・ノイズパターンは異なるため、動作音が気になるなら実際に聞き比べてみることが重要だ。
使用しているCPU、PC設置場所の気温、普段どれくらいの負荷をCPUにかけているのかといった使用目的などにより、どのCPUクーラーが適しているのか、冷却性能・動作音の両面から検討してみてはいかがだろうか。
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