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アップルコンピュータは97年12月3日，次世代MPU「PowerPC 750（G3）」搭載の新製品「Power Macintosh G3」シリーズを発表した。新製品は合計4機種。デスクトップ型が「Power Macintosh G3 DT233」「Power Macintosh G3 DT266」の2機種，ミニタワー型が「Power Macintosh G3 MT266」の1機種，ノート型が「PowerBook G3」の1機種だ。

いずれもMac OS 8日本語版をインストールし，デスクトップとパワーブックは97年12月下旬，ミニタワーは98年1月下旬に出荷する。実勢価格はDT233が20万円台中盤，DT266は30万円台前半，MT266は40万円台前半，パワーブックは70万円台になる見通しだ。今後6カ月間のG3シリーズの販売目標台数を，デスクトップ・ミニタワーが20万台，パワーブックは5000台としている。

原田永幸社長は冒頭で「他社とのシェア争いには全く興味がない」と話し，G3の投入によってグラフィックス，印刷，出版，ビデオ制作など“マック的な市場”での独占的な地位を築きたいと述べた。

話題は97年9月で終了した97年度の業績にも及んだ。97年度の国内におけるマックの総出荷台数は65万台。前年度が89万台だったのを勘案すると，20万台以上も減ったことになる。原田氏は「出荷台数が減った理由はひとえにPerformaシリーズをやめたことだ」と語り，「Performaシリーズをやめたことで出荷台数は減ったが，商品ラインが従来の低価格帯から高価格帯へ推移したため，売り上げ金額ではそれほどの下落はなかった」と説明した。しかし具体的な金額の公表は避けた。

米Apple社はG3シリーズの発表を機に，直販システム「The Apple Store」（http://store.apple.com/）を導入した。同様のシステムを日本でも導入するのかと聞いたところ，原田氏は「日本では販売代理店と直販に関する勉強をしている程度。いずれは考える必要があると思うが，現在は具体的な計画は一切ない」と語り，少なくとも今回のG3シリーズは従来通り販売代理店経由で商品を流し，直販ルートは作らないことを明らかにした。原田氏としては，直販システムの構築よりも効率的な物流システムの確保を優先する考え。「全国にある倉庫の数をいかに減らすかに注力する」と語った。

（新製品は12月18日発売の本誌98年1月号の172ページで詳しく紹介します。ご期待ください）

●写真1　ZIPドライブを標準装備する「Power Macintosh G3 DT266」。デスクトップ・タイプは従来のPower Mac 7500系きょう体と同じ。
●写真2　「Power Macintosh G3 MT266」（右）。Power Mac 9600系きょう体（左）の下部を切り取ったような形状。
●写真3　PowerBook 3400と同じきょう体の「PowerBook G3」

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